その8 小さいだけでグッときちゃいます
ドイツの建物ってなんてあんなにかわいいのでしょうか。
160分の1の世界へ、ようこそ!
カッターナイフやはさみ、ボンドを使って作り上げるペーパークラフト(紙工作)には、動かして楽しめる「からくり」や、子どもたちが作る工作レベルのものがあります。ドイツには大人が「作って飾って楽しむ」本格的なものがあり、しかも本物をスケールダウンさせたサイズになっています。
日本のみならず世界中にファンがいる鉄道模型は、本物の機関車などをスケールダウンして作られています。例えば日本でファンが多いNゲージ(線路の幅が9ミリ)は実寸の160分の1。ドイツのメルクリン社をはじめヨーロッパの多くのメーカーが採用しているHOゲージ(線路の幅が16.5ミリ)は87分の1。それらにあわせて駅や家、お店、お城、教会、人に動物・・・etc が樹脂素材で作られており、集めている鉄道模型にあわせて自分で風景(ジオラマ)を作り、自分が汽車に乗ったつもりで景色を楽しみます。
エルツ山地の工芸品好きな私は、ミニチュアというだけでもビビっと反応するのに、実在するものを、かなり忠実に小さく再現されているなんて、もう~最高!グッときちゃいます。
さて今回は、ドイツから取りよせたSchreiber-Bogenのペーパークラフトの中から、私のリクエストでスタッフの相沢が作成した「ドイツ旧市街の家・4軒」をご紹介します。これが、また、いいんですよね~。ドイツといえば、木組みの家や上に行くほど出っ張っている家(昔、家屋の税金が1階の床面積で決められていた為)が有名ですが、それを再現しているのです。
印刷が実に素晴らしく、本物の雰囲気が伝わってきます。例えば、玄関の上をよ~く見ると4桁の数字が描かれています。おそらく建物が建った年でしょう。テラスには何か彫刻がされているように見えるし、お店のウインドウには額縁のようなものが見えますが、あまりに細かすぎて虫眼鏡で見ても何の店かはわかりませんが。でも、細かいところに、こだわりが見えるところが、いいんです。色使いもドイツらしい深みがあって、大人の目にも充分耐えられる風格を持っています。実際に訪れたことのあるヴァルトブルグ城なんか、自分の記憶と同じたたずまいにもう感激です。
店内には、残念ながら160分の1サイズの家にあうミニチュアがなく4軒の家がエルツのミニチュアたちに挟まれて、ちょっとかわいそうな感じになっています。このブログを見て百町森に来られた際には、ぜひ、実物を見て帰ってください。もちろん購入の上、ご自宅で楽しんでいただければなおよろしいかと思います。ノイシュヴァンシュタイン城なんかいかがでしょうか。ちなみに私は作るより、見て楽しむ派です・・・。
(治井紀子)