35歳になったストッケ社のトリップトラップ
百町森でこのトリップトラップを扱い始めてもう15年くらいになります。実はわが家でも、2脚使っていますが、上の子はもう小学6年生ですから10年以上のお付き合いになります。
トリップトラップがすごいところは
- デザインの完成度:これは見た目だけでなく、機能性、生産性も含めてのデザインです。
- 「テーブルを囲む家族」のための道具:小さな子どもも家族の一員として対等にテーブルを囲むことができます。しかも足が着くので体を動かしやすく、テーブルの上で自分の意志でふるまえるようになります。
- 優れた機能性:デザインにも含まれますが、座面の高さと深さ、足置き板の高さと深さを調整することで、乳児から大人まで使えるようにした、しかもこれだけシンプルな仕組みで!脱帽です。
- 確かな品質:工業製品として品質が安定していて、クレームがほとんどない。
などなどありますが、私が一番感心するのは、体重をしっかり支えられる大きな足のせ板があるところです。だって、想像してみてください。自分の座っている椅子の足がすごく長くて、足が床に着かない状況を。椅子を引くこともままならないし、体重が全部お尻にかかるから疲れそうだし、何よりもテーブルの奥にあるものを取るのが大変ですよね。実は、椅子に座っている時でも、足が体重を支えて踏ん張っている場面が多々あるのですね。そのことをデザイナーのピーター・オプスヴィックはよく理解していたからこそ、高さと奥行きが調節可能で大きい足のせ板を付け、しかもそこに体重をかけてもたわまず転倒しないような設計にしたのでしょう。だから、子どもたちはテーブルの奥にあるものを、安定した姿勢で自分で取ることができるのです。
そして、もうひとつどうしても触れておきたいのは、この椅子が家族が一つのテーブルを囲むために作られたという点です。もともとこの椅子は、ピーター・オプスヴィックが、自分の小さな息子のために、自然な姿勢で座ることができ、家族の食卓に快適に加わることのできる椅子を見つけることができなかったことから生まれました。彼は、小さな子どもも、大人と一緒にテーブルを囲み、家族の一員として団らんに加わって欲しいと考えたのです。だから、類似品によく見られるような椅子に取り付けるテーブルは付いていません。それでは本末転倒なのです。
私は、家族でテーブルを囲む場面は、食事だけでなく、ボードゲームやカードゲームを楽しむなんてこともぜひあってほしいと願うものですが、カードを取ったりコマを動かしたりする時もこのトリップトラップは地味に活躍してくれます。
□トリップトラップ
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