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今年6月に「トーマス木製レールシリーズ」自主回収のお知らせをいたしましたが、さらに4点の商品が追加されることになりました。
「トーマス」シリーズをご愛用いただいているお客様には、大変なご迷惑とご心配をおかけして、申し訳ありません。まずは下記URLにて詳細をご確認下さいますようお願い申しあげます。下記の対象商品であっても、シリアルナンバーによっては、対象にならない場合もございます。ご確認の上、回収対象品を「株式会社 ソニー・クリエイティブ・プロダクツ」までお送りください。よろしくお願いいたします。
なお、百町森では、該当商品の社内在庫を全て回収し、該当商品の販売を見合わせることといたします。
■「トーマス木製レールシリーズ」商品の回収に関するお詫びとお願い(国内発売元「株式会社 ソニー・クリエイティブ・プロダクツ」の公式ページ)
http://www.sonymusic.co.jp/MoreInfo/Chekila/Thomas/thomas_info/index.html
私が、キュ〜ンとやられてしまったものシリーズ。今回は「Bergmann=鉱夫」のお話です。
2000年に初めてザイフェンを訪れたとき、ルームメイトがおもしろい場所に案内してくれました。
その日は、ドイツの冬らしいどんより暗い空。民家の横を通りぬけ、しばらく歩くと、左の方へそれる小さな道。そこを降りていくと、急に視界が開けました。すり鉢状になったところに、舞台らしき石組。その前には、たくさんの木製の椅子。
ここは、かつて鉱山だった場所で、今は野外劇場となっていました。ちょうど舞台の袖あたりに、鉱夫たちの仕事を見張るための見張り小屋「ROTE GRUBE」(直訳すると、赤い鉱山、鉱坑)が残されていました。立て看板を見ると、1856年に建てられた古いもの。そして、舞台の反対側には、鉱山の入り口跡がありました。
15世紀より、この地で多くの鉱夫たちが命を賭けて家族を守るために働いていたのだ、と思うと感慨深いものがありました。が、あまりの静けさにちょっと怖くもなりました。
その2年後、私はヴォルフガング・ヴェルナーさんの工房で、初めて鉱夫がモデルの工芸品を2点購入しました。
1つは、ハンドルを回すとトントントン...みたいな音を出す「砕鉱機」。採掘した銀や錫を細かくくだく様子を再現したもので、水車が回転し、粉砕する棒が上下します。その時にトントントン、と音がする地味なもの。
もう一点は、チントンテン...みたいな音を出す「カウエ」(小さな坑道の入り口を覆う小屋のこと)。こちらは、錫を運ぶ人形と、ハンマーを持つ人形が回転するしくみ。一見するとオルゴールのようですが、これらは二つともクリンパーケストヒェン(Klimperkaestchen)といい、オルゴールの原型です。写真を見ておわかりになると思いますが、ほんとなんて地味な工芸品でしょう。いくら歴史的なモチーフとはいえ、たいていの日本人は買わないでしょうね...
鉱夫をモチーフにした工芸品で代表的なのは、ヴォルフガングさんの父であるヴァルター・ヴェルナー工房のフィギュアです。他にあげるとしたら、やはりフュヒトナー工房のくるみわり人形、クラウス・メルテン工房の煙だし人形でしょうか...
エルツ山地の工芸品が200年以上も作り続けられているのは、その昔、鉱夫たちが、ハンマーを、カービングナイフやバイト(ライフェンドレーン工法の時使う木を削る刃物)に持ち替えてくれたおかげです。だから私は、渋めのBergmannたちを、ちょっとひいき目にみてしまうのです。(治井紀子)
□ヴォルフガング・ヴェルナーのからくりおもちゃ http://www.hyakuchomori.co.jp/life/kogei/erzgebirge/wolfgang.html以前から気になっていた川村真司さんのフリップブックが入荷しました!この作品のすごいところは、パラパラ漫画的に絵が動くのではなく、虹が紙面から立体的に立ち上がってしまうところです。今までにない斬新な発想にただ感嘆するばかりです。
見る角度やパラパラのスピード、そして熟練度によって、虹の見え方はずいぶん違いますので、色々と試してみて下さい(慣れが必要です)。下の方は色濃くきれいに見えますが、円弧の頂点部分はどうしても色が薄くなってしまいます(その儚さが虹に似ています)。きれいに見えるときは、なかなかうれしいもので、思わず「見て見て〜」と誰かに見せたくなってしまうのも本物の虹に似てる、かな?
ネフ社のデザイナー Heiko Hillig ハイコ・ヒリックさんが百町森に寄って下さった時(記事「ハイコさんが!」参照)に、プレゼントしたらとても喜んで下さいました。レジの横に並んでいるのを見かけて気になっていたそうです。彼のデビュー作 Rainbow と同じ名前だけにしっかりチェックが入っていました。
"RAINBOW IN YOUR HAND"は子どもから大人まで楽しめる新しいタイプのフリップブック。 全く同じ大きさの7色の四角形が印刷された、36枚の真っ黒なページをパラパラとめくると、 手の中で魔法が起こります。
ページが右から左へとめくられ飛んでいくとき、黒いページの上にアーチ状の虹がかかります。 それは7色の四角形があなたの目に残した残像の仕業。
これからはこの本があれば、いつでも、どこでも、 あなただけの小さな虹を手の中に作り出すことができます。
現在、広告代理店でコピーライター/アートディレクターを勤めるかたわら、創作活動を行っている。 学生時代は、慶應義塾大学 佐藤雅彦研究室に属し、在室中に課題で作ったフリップブックは、「動け演算 -16 FLIPBOOKS」(2000年トランスアート刊)に収録されている。
以前にもご紹介した、米正万也(よねしょうまや)のアニメーション「しかく」が再放送されます。見逃した方はこの機会にご覧下さい。
「しかく」再放送日は以下の通り。
10月12日(金)
10月19日(金)
放映時刻は、朝8:15〜8:30、再放送は夕方16:00〜16:15です。
番組名は、NHK教育テレビ「いないいないばあっ」。
放映されるのは、番組の終わりの方です。
□米正万也さんのホームページ
http://homepage3.nifty.com/maya_y/
佐々木奈々子さん(スウェーデンひつじの詩舎主宰)の新刊が10年振りに出版されました。
タイトルは「ウォルドルフの手仕事〜心を育む人形たち」。私はタイトルを聞いただけでヤラレテしまいます(笑)
ところで「4つのH」というのをご存じですか?
この本には、ひつじとの出会いから始まるわくわくするような手仕事がいっぱい詰まっています。子どもと一緒に手作りできる貴重で楽しい時間の楽しみが広がります。また、カラーページも豊富で実物大パターン付き。解説も丁寧でわかりやすい。
百町森では、出版記念として先着50名様に「赤ちゃんサーラ」の絵はがきを差し上げています。また、佐々木奈々子さんの講習会「赤ちゃんサーラ」も開催します。講習会は定員まであとわずかです。参加ご希望の方はお早めにご予約ください。(榛地裕子)
□赤ちゃんサーラ講習会 http://www.hyakuchomori.co.jp/blog06_event/2007/08/post-1.html以前にもご紹介しましたように、ウィーン在住の米正万也(よねしょうまや)さんが、NHK教育テレビ「いないいないばあっ」のために、3歳児以下を対象にした1分間のアニメーションのシリーズ「◯△□(まるさんかくしかく)のダンス」を作っています。シリーズ4作目にあたる新作「まるとさんかく」の放映日が決まりましたのでお知らせします。第1回はもう終わってしまいましたが、まだ4回放映されますのでぜひ一度ご覧下さい。
柔らかいタッチと優しい色の、まるとさんかくが音楽に合わせて動きます。NHKの乳児向け番組ですら刺激の多い映像があふれる昨今、米正さんのアニメーションは優しすぎて埋もれてしまいそうですが、私にとってはふわ〜っとした温かい心地よさを感じます。みなさんのお子さんはどんな反応をするのかしら?
「まるとさんかく」放映日は以下の通りです。
9月13日(木)
9月20日(木)
10月25日(木)
12月7日(金)
1月4日(金)
放映時刻は、朝8:15〜8:30、再放送は夕方16:00〜16:15です。
番組名は、NHK教育テレビ「いないいないばあっ」。
放映されるのは、番組の終わりの方です。
□米正万也さんのホームページ
http://homepage3.nifty.com/maya_y/
2007年のニュルンベルク見本市で発表されていたハイコ・ヒリック氏の新作「フィデルス」が来週後半入荷します。シグナが円錐形になったようなおもちゃで、積んだりひもを通して遊びます。円錐形パーツ大小各4個+ひも1本
ハイコさんのサインご希望の方は、通信欄に「ハイコさんのサイン希望」とご記入下さい(9/22まで)。詳細は「ハイコ・ヒリックさんが百町森に来ます!」で。
彼にとってはおそらく初めての、乳児のためのおもちゃです。最初見た時の私たち3人(佐々木、相沢、柿田)の疑問は、「モダンで洗練されたデザインが身上のハイコが、なぜ乳児のおもちゃを?その心境の変化は?」でした。さっそくその疑問を彼にぶつけてみると、彼のお子さんがシグナですごくよく遊んでいたのがきっかけだったとのことでした。なるほどなるほど...。実に納得がいきます。
ネフ社のデザイン面に深く関わる彼が、「子どものためのおもちゃ」というネフ社の原点に至ったことは、我々にとって実に喜ばしいことです。その路線を支持し応援していることを示すためにも、その場でン十個注文しました。
そしてもう一つ興味深いのは、この「フィデルス」が、ろくろ細工の技術をベースにしていることです。ハイコ氏の出身はエルツ山地で、木の彫刻とレース編みがさかんなマウアースベルクという村で育ったそうです。彼は12才になるまでに、その村の伝統である彫刻細工と、ザイフェン村などで盛んなろくろ細工の技術を身に付けたそうです。そんな彼のルーツとも言えるろくろを応用しているんですね。さらに、彼はろくろの技術によってコストも抑えられるということも話してくれました。結果的に、シグナよりは高くなってしまいましたが、「デザイン命!」みたいなイメージの彼が、生産コストのことまで考えて商品化していることに頼もしさを感じました。