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百町森について>記事 | ||||||||||||||||||||
「こどもの本」2004年7月号(発行:日本児童図書出版協会)
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押しつけがましい本屋です |
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柿田友広 | ||||||||||||||||||||
こどもの本 税込\126 |
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子どもの本とおもちゃ百町森(静岡県・静岡市)
今年三月で25周年になりました。当初は児童書の専門店としてスタートしました。問屋(取り次ぎ)の存在も知らず、出版社に直接現金を持って仕入れに行ってました。自分の好きな本が売れると嬉しくて、それをエネルギーに今日までやって来たという感じです。 17年前、ヨーロッパのおもちゃと出会い、また、5年前には自分の子育ての経験から親子で静かに遊べるスペースの必要性を感じ、徐々に営業形態を変えてきました。今は売り場の3分の1が子どもの本、3分の1がおもちゃ、あとの3分の1が有料の遊び場になりました。土日には遠方から大勢の親子づれがやって来るようになりました。今まで一番遠くからは青森から日帰りでやってきた親子です。びっくりしました。JRの静岡駅から歩いて8分という立地がこんな事を可能にするのでしょう。 また、4年前からはインターネットでの販売も始めました。ホームページ上で下調べをしてくるお客さんが多いのが最近の特徴です。 ロングセラーを売るというのが、お店のコンセプトです。25年前大好きだった『こぐまのくまくん』や『くんちゃんのだいりょこう』という絵本は当時もロングセラーでしたが、今でも大変よく売れて(=売って)います。品揃えが福音館や岩波に偏っているという傾向はあるのですが、面白いことに、一般書店でよく売れている『しろいうさぎとくろいうさぎ』や『星の王子さま』なんかはほとんど売れません。好きだから売る、感動したから共感をもとめて売る、でも、結果的にそういう本のほとんどは、時間のふるいにかけられ生き残っているロングセラーだったという事でしょうか。 これは「好みの押しつけ」だと思います。このこと自体は主観的である種わがままなんだけど個性でもあるし、私の商売上の原点なんですね。お客さんへの通信も25年間ほぼ毎月出してきました(DM大賞をもらいました)。園や学校に絵本の読み聞かせやお話や人形劇をやりにも行きます。親向けの講演活動もしています。そういう事を全部面白がってもらう事で専門店は成り立っているんだと思います。でも、結果的には確かな物を売っているってことです。安心してもらえるし、財産にもなる。この店にはパワーがあるってお客さんが感じて下さることが肝心だと思います。品揃えなどという事では、やはり一般書店にはかないませんから…。 とはいえ、四半世紀の間に最初は一人でやっていた3坪の店もスタッフ10人以上の60坪の店になりましたので、スタッフの個性が反映する色々なコーナーが生まれてきました。「ミヒャエル・ゾーヴァ」「ブルーノ・ムナーリ」の本、旧ソ連・東欧のアニメ(ノルシュテイン、チェブラーシュカ、クルテク等)のDVD、ロバの音楽座など普通の楽器店にないCD、絵本のキャラのピンバッチのコーナーなどは結婚する前の若い層も掴んでいるかと思います。 最近、小学校でお話や絵本の読み聞かせをしているボランティアの方が大勢訪ねてくれるようになりました。そんな方には東京子ども図書館の発行する出版物をお薦めしています。もっと、「初心者」の方には『読み聞かせわくわくハンドブック』や『絵本のあるくらし』をお薦めしています。 |
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