子どもの頃、ドングリ三個と竹ヒゴで、やじろべえをよく作ったものです。バランスを取りながら揺れるだけのおもちゃなのに、見ていてなぜか飽きない。
落ちそうで落ちないのが面白いのかしら?というより、ゆったりした時間がよいのかもしれませんね。
さて、ドイツではおもりが二つではなく一つのタイプのやじろべえが一般的なようです。今回は、ザイフェンで活躍するヴォルフガング・ヴェルナー氏の作品から、三点を取り上げてみました。
とくに、のこぎり男は18世紀のわらべうたの歌詞にも出てくる古典的なおもちゃです。ちょいと背中を押してやると木を切り始めます。動きがとてもリアルで、ギコギコと音がしそう……。
とても小さなおもちゃですが、細部まで丁寧に美しく仕上げられています。この小さいってところが、貧しかったザイフェンのおもちゃの特徴なんですね。つまり、少ない材料でできる、輸送に便利というわけです。