おもちゃ作家というより、最近では絵本やエッセイの作家として、また、イベントのプロデューサーとして活躍中の杉山亮氏。マルチ人間の彼を理解するためのキーワードは、「おもちゃごころ」、そして「へんてこ」であろうと、私は思っています。要するに、型にはまらず、とにかく面白いことが好きって感じかな。
そんな杉山氏の代表作に、「おもちゃ絵ポスター」という連作があります。しりとりをしながらゴールをめざす『しりとりめいろ』や、武器や食べ物を拾いながら宝物を探しあてる『たからじまのちず』など、へんてこなポスター型のおもちゃ(?)なのですが、中でもとくに風変わりな作品が『おはなしめいろ「赤ずきん」』です。
迷路の中にお話が盛り込まれているので、違った道へ行ってしまっても、くやしくないのがミソ。いきなり「むかでだあ」で終わりになったり、七人のこびとや浦島太郎が出てきたり……と、とにかく愉快で、笑える迷路なのです。