幼稚園の先生だったキーナーさんが、転身し、おもちゃ会社キーナー社をつくったのは1975年のことです。彼女のデザインした木製カードゲームやモビールを見るたび、私は、その洗練された美しさに圧倒されてしまいます。媚びた甘さがないのにかわいい、という絵は描けそうで描けないものです。
『キーナーモザイク』は幾何学的構成玩具です。キーナー社のオリジナルを、1987年にネフ社が製品化しました。
立方体36個をプレートに並べて、模様を作ります。正方形や長方形を作ったり、線や縞模様、さらにそれらを直角に曲げたりもできます。ランダムに並べても美しいのですが、秩序をもって並べると、美しい柄ができるんですね。子どもはもちろん、大人も夢中になります。
平面構成ばかりでなく、積木にする子もいるでしょうし、時に、ままごとの具になるかもしれません。“世界一美しいおもちゃ”―私はこの製品を、こう呼んでいます。