四寸十四回秘密箱

寄せ木をご紹介しましょう。数十から百種類以上の天然木材を鉋で、厚さと幅を揃えたヒゴのような棒に加工します。これを、大鉋で横に薄く剥いでいくと、断面に美しい幾何学模様ができ上がっているわけです。この薄い紙状の材を、箱などに貼って飾りにするんですね。これが寄せ木です。

奈良時代の工芸品にも見られる伝統の技を、今も受け継いでいるのは、箱根・小田原地方のみ。それもほんの数名だといわれています。そんな寄せ木の技を用い、親子で秘密箱作りを続けているのが山中組木工房です。

カラクリ箱とも呼ばれる、この秘密箱は、ある一カ所をスライドさせると、別の場所のロックが解除されて動くようになり、そこを動かすと・・・・・・という具合に、何カ所か動かした末に蓋が開く、一種のパズルですね。

山中親子は、伝統の中にもオリジナルの発想をとり入れ、果敢に新作を発表しています。

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作者:
山中成夫(4代目)、山中忠明(5代目)
製作年:
1952年
素材:
木(ミズキ、ニガキ、エンジュ、ホウほか多数)
対象年齢:
6歳から
製作および取扱い:
(有)山中組木工房