寄せ木をご紹介しましょう。数十から百種類以上の天然木材を鉋で、厚さと幅を揃えたヒゴのような棒に加工します。これを、大鉋で横に薄く剥いでいくと、断面に美しい幾何学模様ができ上がっているわけです。この薄い紙状の材を、箱などに貼って飾りにするんですね。これが寄せ木です。
奈良時代の工芸品にも見られる伝統の技を、今も受け継いでいるのは、箱根・小田原地方のみ。それもほんの数名だといわれています。そんな寄せ木の技を用い、親子で秘密箱作りを続けているのが山中組木工房です。
カラクリ箱とも呼ばれる、この秘密箱は、ある一カ所をスライドさせると、別の場所のロックが解除されて動くようになり、そこを動かすと・・・・・・という具合に、何カ所か動かした末に蓋が開く、一種のパズルですね。
山中親子は、伝統の中にもオリジナルの発想をとり入れ、果敢に新作を発表しています。