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ソトコト 2003年4月号(発行:木楽舎)
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「またたび通り」を訪ねてみませんか? |
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ふりむけば猫 |
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「目立て屋さん」をご存じだろうか。 ノコギリの歯なんかを研いでくれる人というか、お店なんだけど、ちゃんと店先には看板を出して、生計を立てていたわけだよね。過去形で語っては失礼か、今もこの職業はあるからネ。今は「マキタ」とか「HITACHI」っていうメジャーなメーカーの看板(たぶん工具も売りながらやっているんだろう)が出ているだけで、大工さんとか需要のある人しか、その存在を知らなくなってしまった。 この絵本には、そんなちょっと忘れられそうな、レトロな感じの、いまにもつぶれるんじゃないかって心配しちゃう(大きなお世話か)お店ばかり出てくる。「角の食堂に猫がいて・・・」、「傘屋さんにも猫がいて」、時計屋さん、せんべい屋さん・・・。そして、そういうお店のどこにも猫がいるっていうストーリーだ。 話としては何でもないけど、読んでいるとリズムが心地よく、木版も力が抜けていて堂に入ってる。小さな本なのに布貼りの装丁、そして、どのページにも猫がユーモラスに登場して・・・。猫町の繁華街「またたび通り」の話として結末を迎える仰々しさもおかしい。最近、古い町並みを保存したり、復活させたりして観光客誘致をしようとする自治体があるけれど、もしわたしがそこの実行委員なら、「またたび通り」の復元(?)を提案したい。 柿田友広 |
スローフード、スローライフを提唱している「地球と人をながもちさせるエコ・マガジン」ソトコトに、柿田が絵本紹介のコーナー百町森SELECTIONを連載しています。 ふりむけば猫作・絵:井上洋介 1,068円(税別)
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