女の子にしか、わからない？

オリビア

この絵本は、オリビアという豚がヒロイン。母さん、父さん、弟と住んでいる女の子（豚だけど）で、なんでも上手にこなせ、活発で、周りをへとへとにさせる。鏡の前でお化粧したり、お出かけの時にも服を全部試したり、バレリーナに憧れる女の子っぽい女の子。この絵本の作者はオリビアの弟であると、読んでいるうちに推測できるが、弟という立場で愛情をもって姉を観察した結果、できた絵本であろう。

この絵本を「どこが面白いんだ？」なんて思った方はおじさんです。というのは、なにをかくそう初めてこの本を読んだ私は何も面白さを感じなかったのに、中３の娘は大層盛り上がっていたのである。もう、オリビアがかわいくてしょうがないという。ある時、娘から、友達の誕生祝いにオリビアのマスコットをあげたいから○○へ行ってくれと頼まれた。私はよく、帰宅途中に子どもから買い物を言いつけられる（？）のだが、閉店間近だというのに、その店は中高の女子生徒でごった返していた。一歩足を踏み入れたとたん場違いな自分が大変恥ずかしい。が、こういう子たちが持っている微妙な間をこの絵本は、見事に描いているのだと悟った。寝る前に読んでもらう本の数を母さんと駆け引きするところは、私にも笑える。２色で、余白を見事に生かしたページごとの構成力に、作者の才能を見る気がする。

スローフード、スローライフを提唱している「地球と人をながもちさせるエコ・マガジン」ソトコトに、柿田が絵本紹介のコーナー百町森SELECTIONを連載しています。