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COMO(コモ) 2001年11月号(主婦の友社)
「いたずら」や「あくたれ」の子どもに接する大人の姿を
絵本の中から読み取って

柿田友広

 いまの子どもは「よい子ストレス」がたまっていると言われます。大人の目をかすめてうまく息抜きでればいいのですが、いつでも「よい子」でしかいられない子は、いつか爆発するしかないのでは?
 ここに紹介する本は「いたずら」や「あくたれ」の手引き書というわけではありませんが、大人と子どものあるべき姿が描かれて参考になります。たとえば『ベンジャミンバニー…』の父さんは、わが子だけでなく甥のピーターにもお仕置きを忘れていません。『キスなんてだいきらい』のパイパーは、赤の他人に叱られ、母親にはたたかれ・・・。大人の毅然とした態度が、ときには必要だと言う事でしょう。
 でも、そんなあとには『あくたれラルフ』のセーラのように、何倍も優しく接してあげて。なぜって、どんなにいたずらでも、クックとプッケのように、子どもはどこかで『クックとプッケ』のように「いい子にならなくちゃ」と思っているもですからね。

ベンジャミンバニーのおはなし
ピーターラビットの絵本第一集より
■ビアトリクス・ポター/作・絵
 石井桃子/訳
いたずらしすぎて意気消沈していたピーターのところに、いとこのベンジャミンがまた悪の誘いにやって来た。性懲りもなく誘いに乗るピーター。窮地に陥った二人をおじさんが助けてくれる。(638円)

あくたれラルフ
■ジャック・ガントス/作
 ニコール・ルーベル/絵
 石井桃子/訳
猫のラルフはすごいあくたれ。セーラとその家族はたいていのことは許すが、今度だけはどうにもがまん出来ない。とうとうラルフをサーカスに置いて来てしまう。その後のラルフのかわいそうなこと。でもセーラはやっぱり助けに来てくれた。(1,350円)

キスなんてだいきらい
■トミー・ウンゲラー/作
 矢川澄子/訳
パイパーはかなりのあくたれ猫坊や。お世話好きで心配症な母さんには、ほとほとうんざりだ。ある日学校でけんかして、包帯ぐるぐる巻きの大けがをした。それを見て息も止まりそうな母さんの、抱っこしながらのキスぜめにとうとう爆発。(971円) 

いたずら2人組
■エルジェ/作
 ほりうちもみこ/訳
クックとプッケ、二人の男の子が巻き起こすいたずらには、悪意がないせいか無条件に笑ってしまう。子どものすがすがしいエネルギーに元気をもらえる絵本。どんなに文明が進んでも、こうした子どもが生きられる社会であってほしいものだ。(1,400円)

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