キュービクス 対談1

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■なんと30周年だ!■

佐々木:今日は、キュービックスということですが。
柿田:キュービックスは、いつ発売されたんでしたかね?
佐々木:えっと、パッケージを見ると、1969年だね。今からちょうど30年前ですね。
柿田:これはすごいね。今年は記念すべき年ってことだね。
佐々木:30周年記念のお祝いしなくちゃいけないねー。
相沢:われわれほどキュービックスを愛している者はないね。
柿田:ネフの話をしていて、いつも思うんだけど、キュービックスをここまで評価して、その面白さをみんなに伝えたのは、やっぱり相沢氏だよね。



小さい方から2番目のパーツ


どっちも小さい方から2番目のパーツ(キュービクスとセラ)

■キュービクスは2つめのパーツがすごい■

相沢:うん、私は、その話になると思うことがあるんだけど・・・。ネフの商品が例えばデパートに陳列されている時ね、セラやアングーラにぐっときたっていう人はいるけど、キュービックスにきったていう人があまりいないのが不思議だね。私は、おもちゃのデザインを始めた、ほんとに初期の頃ね、小さい方から2つめのこのパーツがとても気になる時期があってね、何をやってもこれがでてきちゃうって時があったね。
佐々木:三点で支えてるからかな。
相沢:2.5cmの立方体が8個集まって5cmの立方体ができる。そこから立方体の1個をとり、さらに対角のもう1個もとると、このパーツになる。これが、要するに、キュービックスの原理でね、たとえばフレーベルなんか原理をいろいろと考えた人だけど、私の持論では子供は原理では遊ばないんだよね。ピエールのすごいのは、これの発見、この原理がおもしろいってことに気がついたってことだと思うんだよね。それが、彼の天才たる所以だと思う。セラの2番目のパーツもこれと全く同じなんだよね。厚さが違うだけで、キュービックスの発展形としてセラができるんだよね。2.5×2.5×5(小さな立方体を2つつなげた形)を1×2×3に変えて、3つずつ組むと同じ形になる。セラもおへそで立つことがおもしろいでしょ。で、それは、キュービックスに基本があるんだよね。
佐々木:ダイヤモンドも同じだね。
相沢:ダイヤモンドの最小パーツは2.5の正八面体でしょ。それが8個分で一辺5cmの正8面体ができる。それの1個をとり、対角の1個もとると、2番目のパーツになる。つまり、キュービックスから、クラーセンの全てのパーツが始まっていると思うんだよね。この発見のすごさっていうのは、積み木に関する今世紀最大の発明って気がするよね。
柿田:うーん。すごいよね。
相沢:ほんとに私は、一時期なにをやっても、この形になっちゃうことがあってね。全部ボツにしましたけどね。


斜めの概念


水平に積む

■「斜め」の概念=3次元■

佐々木:結局、この3点で立つっていうおもしろさだよね。
相沢:そうそう、これやるのは2歳半からかな。
佐々木:うちの子は最近やり始めたよね。
相沢:今、いくつだっけ?
佐々木:3歳半。
柿田:そうだね、うちの子も3歳過ぎだったかな。それまでは、安定した形の方を喜んで、この形は嫌がったね。
相沢:そうか、斜めの概念は3歳過ぎかな。ダイヤモンドでもこう立てるのは3歳過ぎだよね。
佐々木:おもしろいよね。たどるべき道筋がきちんとあるんだよね。
柿田:3歳過ぎると社会性がでてくるっていうのと関連している気がするね。3歳過ぎで獲得するものの一つって考えるといいんじゃないかな?
佐々木:水平にものを積む段階から、垂直に進むっていうか、斜めの概念に進むんだよね。
相沢:ヴィボでも、小さい子はひねると嫌がるって漫画を書いたけど、あれは、2歳半ぐらいのころかな? ネフの積み木は3歳過ぎから、次の段階にいけるってことだね。
柿田:そうだね。3次元の段階を認識できる。
佐々木:そうそう、平面や面から、いがませて3次元にいくんだよね。
相沢:いがませるって表現いいね。標準語では「ゆがむ」ですよね。
柿田:それは名古屋のスラングかね。
佐々木:「きのう」のことを「きんのう」って言うのと同じかなぁ。
相沢:こう、くだけた感じがいいねえ。くそ真面目に話していてもおもしろくないし。
<話がどんどんそれていって、速記がとても追いつかない。特に、今日はオフレコの話が多くて、とても文字にできません。川島談>
柿田:アメリカっていう国は好きじゃないけど、そういう点(どういう点だ?)ではおもしろい点があるよね。たとえば、すごい偉い人がセックスの話をしたりしてね。すごーく上品なきれいな女の人がいて、その人が「しばらくしてないの。」なんて言っちゃったりしてね。
相沢:私も「バイアグラを使ったら、すごくよかった」って話をアメリカの議員の女性が言っているのを聞いて、感動したよね。
佐々木:え、女性議員がそう言ったの?
相沢:うん。そう言ってましたよ。
柿田:俺それすごくいいと思うね。ちょっと違う話になるけど、阿部ヤエさんが「一般庶民」って言った時の、「一般」ってことに深い意味がある気がするね。その辺がいいって感じがするよね。我々は、品よく語るのは無理だし、「一般」でいいよね。

■アングーラのジョイントの話 再び■

佐々木:そろそろキュービックスの話をしようよ。
柿田:アングーラは、完全に最初は2次元だよね。
相沢:アングーラはジョイントで飛躍的にのびるんだよね。なんと言ってもジョイントがすごいね。
佐々木:ジョイント自体が3次元的なんだよね。
相沢:ネフスピールの対談の時にも話したけど、ネフさんが最初に作ったネフスピールの元の形は、このジョイントの形なんだよね。アングーラのジョイントにネフスピールを乗せたネフストーンっていうのをネフさんにもらった事があるんだ。本当はこの形だったのに、木工所が間違えたんだよね。で、そっちが面白いっていうんで、ネフスピールを今の形にした。クラーセンがそれを知っていて、このアングーラのジョイントを作ったかどうかはわからないけどね。その辺が、ネフさんとクラーセンの関係の深さだとも思うんだよね。ツッチー(ルナのデザイナー)の新作で、このジョイントを4つ使ったのがニュルンベルクのおもちゃメッセにもでてたよね。アングーラ以外には、ツリアにもついていたんだよ。ツリアはクラーセンの作品だけどね。クラーセンがこのジョイントを他の作品につけるのはいいんだけど、ツッチーがつけることは、私としては釈然としないものがあるんだけど。でも、これがネフさんのデザインであって、ネフ社でもそれが認められていればいいのかとも思うけどね。
佐々木:たぶんそうだと思うよね。発明というのは、それ自体作ったことがすごいんだけど、発明から20年とか25年とか、ある程度の年月が経てば、それはみんなの共有財産になるわけだからね。で、その発明を土台にして、新たにいろんなものを考えていく。元の発明は、みんなが自由に使えるようになっていくんだよね。
相沢:そうだよね。法的な話で言っても、そういう基準があると思うよね。ただ、デザイナーとしての私のこだわりとしては、自分の作品にこのパーツはつけないよね。意地でも付けないぞって感じ。
佐々木:それは、相沢氏のデザイナー魂だよね。
相沢:キュービックスに関してもう一ついいたいのは、漫画にも描いたけど、小さいパーツから順に、4:3:2:1という数で構成されていて、全部で10個のパーツになる。この10個っていうところに、クラーセンは強い意味づけをしているんだよね。彼が言う「ゲオリュトミー」って言葉は、自然と幾何学と芸術を統合した造語なんだけど、何で、ここに「ゲオリュトミー」があるかっていうと、この10っていう数字が非常に重要なんだよね。10本の指で10個のパーツを使って、遊ぶことが自然だっていう考え方だよね。

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