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アレックス・ランドルフは語る |
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ゲームに対する自分の考えについて |
訳注 | |||||||||||||||||||
ゲームの何が最も面白いかというと、完成されておらず、どんどん変化しうることです。そのため、ゲームがまるで生き物のように感じます。最初から完璧であった唯一のゲーム、それが囲碁です。 |
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私が日本にいた時、頻繁に将棋をしました。外国人の私は、普通は簡単に知り合いになれない多くの将棋名人と知り合いました。彼らの多くは気分転換のために囲碁をしていました。同じように、アマやプロの囲碁名人の多くも、気分転換のために将棋をするし、ブリッジや麻雀をしました。彼らは総じて、頻繁にゲームをします。当時私は将棋名人に、「人類の最も偉大な発明の何に共鳴しますか?」と尋ねました。答えはわかっていました。「将棋かチェスです!」「では、囲碁は?」と尋ねると、「囲碁は人類の最も偉大な発見です」と答えました。「なぜなら、それは遙か以前から既に存在するからです。」と。 囲碁は変化することもなく、発展もし得ない唯一のゲームだと思います。なぜなら囲碁はもう既に完全に発達を遂げているからです。しかし、他の多くのゲームは、変化することができるし、絶え間なく変化します。私も変化を期待しますが、残念ながらそれは非常にゆっくりと起こるので、人はそれに気づかないのです。 私はサッカーの試合で、例えばオフサイドというルールがなくなることを望みます。それは良くないからです。サッカーにおいて、試合のエスプリに逆らうスローインがなくなることを期待します。他のゲームも同じです。例えば、チェスで良い勝負をすればするほど、引き分けになってしまうことに、私は我慢できません。チェスの下手な人だけが、チェスを喜びます。それは、何らかの方法で勝負がつくことを知っているからです。下手な人の場合には引き分けがありません。 |
ランドルフさんは、1961年から68年まで日本に滞在していました。その間に加藤一二三名人からも将棋を習ったことがあるそうです。有段者だそうです。 | |||||||||||||||||||
将棋の素晴らしいところは、取った相手の駒が自分のものになることです。そしてそれを使うことができます。この考えられないような素晴らしいルールを、私はチェスに取り入れてみました。その中から、チェスのある小さな変化を発見したのです。それがMad Mateです。これを好むチェス名人をたくさん知っています。しかし、これは一つの解決策に過ぎず、もっと他の可能性があるに違いありません。なぜなら、チェスはまだ完成されていないからです。 |
Mad Mate(Selecta,1975)は1972年に、3M社からNeo-Chessとして発表されました。1998年には、Abacus社からもMad Mateが出ています。 | |||||||||||||||||||
チェス自身は既に非常に強く、また非常に頻繁に変化しました。チェスがある土地から別の土地へ移動する際に、どのように変化したかを追求することは、文化歴史的な見地において魅力的なことです。そして、私はそれに最も多くの時間を費やしてきました。私が昔のゲームの要素を持つゲームを発表するたび、「そのゲームはもう知っている」という声を聞くので、少し腹立たしく思う。もちろん知られているゲームです。しかしそれはたった今変化したのです。 | ||||||||||||||||||||
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このインタビューのドイツ語原文(Alex Randolph im Gespraech)はspielbox-onlineに掲載されています。アレックス・ランドルフ氏ご自身から承諾を得て翻訳を掲載しています。 |
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