柿田のブログ

店主柿田の思いつくまま、気の向くまま、夫婦でライフワークにしている出張お話会の様子や、見に行ったイベント、お客さまからのお問い合せにもお答えします。

IMG_0602.JPG中学生のプロ棋士藤井聡太さんのお陰で、アナログおもちゃ、特にキュボロや将棋がにわかに注目されています。デビューから29連勝して新記録を打ち立てた藤井さんですが、子どもの頃に夢中だったおもちゃということでお母さんが紹介したのがキュボロという「玉の道積み木」だったことがテレビで伝えられたからです。
〈キュボロは確かに素晴らしいおもちゃなんですが…〉
それ以来、百町森にもキュボロを買い求めてにくるお客さんが増えました。キュボロが大好きな私として、こういう地味ながら完成度の高いおもちゃに注目が来ることは嬉しいのですが、でも、今は在庫もなくなり、予約を受けている状態、次に入るのは来年になりそうです。この騒動より前から買う計画を立てていた人には申し訳なく思っています。
もともと、月に一個〜二個しか売れなかったキュボロが、毎月10個〜20個と予約がくるって、これは加熱し過ぎです。苦しい経営が続くお店としては嬉しい事態ではありますが、反面、歯がゆさを感じざるをえないというのが正直な話です。(大企業なんかだと、こういう状況を利用して上手にあおったりして売り上げ増やすのだろうけど、格好つけるわけじゃないけど、そんな商売をしたら罰が当たるような気がしてどこかブレーキがかかります。)
〈歯がゆく感じる理由〉
歯がゆさの理由は3つ。その1、そもそも、木製玩具の業界は、一回の生産ロットが200とか300の世界ですし、スイスのキュボロ社は日本だけのために生産している会社ではありません。日本に来る数は知れています。その2、他にもいいアナログのおもちゃがいっぱいあるので、キュボロだけに集中しないで、もっとアナログのおもちゃのこと全般を学んでいただきたい。その3、1〜2歳の子のために買いに来る人がかなり大勢いるという事実。おもちゃはその子の発達に応じて、あるいは好みに応じて与えていかないと、楽しさを感じたり、夢中になって遊んだりできないでしょう。その予算を、年齢や発達や趣向にあったおもちゃにあてれば、その子も周りの大人もハッピーなはずです。段階を踏んで、5歳とか小学生になって、キュボロのことは考えて欲しいです。
〈知育玩具と呼ばないで! だって、知能だけを育てるわけじゃないですから〉
こんなにキュボロを欲しがる人が増えている理由は、たぶん、我が子も藤井さんのように頭が良くなってほしいという思いからなのだと私は推測します。日本では百町森で売っているようなアナログのおもちゃは知育玩具と呼ばれることが多いのですが、そう呼ばれるようになった理由も「こうしたおもちゃで遊ぶと頭がよくなる」と考えた人がいたからでしょう。そのことと、今回のキュボロ騒動は同じ根っこだなぁと私は思っています。日本人は戦後からずっと学歴とか頭のいい人とかにコンプレックスを持って来ていて、そんな中で「知育玩具」という言葉が生まれ、競争社会がそれに拍車をかけて今に続いていると私は推測しています。せめて西洋で一般的な「教育玩具」と呼んでくれたらなあと思います。(余談かも知れませんが、「わが子は○○歳なのにこんなことができる」と自慢げに、計算や文字を覚えさせることばかりさせたがる親が時々いらっしゃいます。当の子どもは他のおもちゃで遊びたがっていても、「そんな幼稚なもの!」という感じで、とりあってもらえません。こういうIQに取り憑かれているといった人の勘違いにどう対応したらいいか、いつも悩みます。)
マスコミで報道される藤井さんを見て、この人は中学生にしては落ち着いている人だなと私は感じます。「子どものころから負けるとすごく悔しがった。」とお母さんは言っていましたが、それを克服するために大変な努力する人、意欲や忍耐力が人並み以上に育っているなんだろうなと思いました。
私が百町森で売っているようなアナログのおもちゃを「知育玩具」と呼ばずにせめて「教育玩具」と呼んでほしい(ただおもちゃと呼ばれるのが一番嬉しいのですが…。)理由の一つも、頭の良さだけでなく、落ち着きや努力する力を育てるからということがあります。
〈ジェームズ・ヘックマンの言葉が嬉しい!〉
最近、ノーベル賞経済学者ジェームズ・ヘックマン教授が、IQを高くする知能などの認知能力より、「意欲」「自信」「根気強さ」「注意深さ」などの非認知能力が大事だと言って、話題になりました。ヘックマンの著書や最近の教育論を読むと、IQよりもむしろこの非認知能力が結果的に学力テストにも影響し、社会で活躍できる人をつくるとも言っています。つまり、幼児期には4953467030812_750x300.jpg非認知能力を高めるような教育に投資することが、社会性もある大人に育ち、経済的にも効率がいいということです。
日頃から子どもは遊ぶことが大切、「絵本やおもちゃでゆっくり子育てしましょう」と言っている私にとって、なんと有り難いお言葉でしょう。要はIQだけを高めようとしてはいけないということです。藤井さんの本当の素晴らしさは知能だけでなく、意欲や注意深さ、努力する力も育っているからではないでしょうか。でも、それなら、ごっこ遊びもいいし、キュボロ以外の構成遊びもいい、ボードゲームやカードゲームも素晴らしいってことではないですか。そもそも将棋もアナログゲームですねぇ。(ちなみに、将棋も最近、藤井効果でよく売れますが、こちらも、早すぎないことを願っています。)
〈おもちゃを選ぶ時は、年齢も考慮に入れて!〉
藤井さんの影響で百町森にみえたお客さんの場合、1〜2歳の子にキュボロを買ってあげようとする方が意外に多く、それは最近の私の心配の種です。キュボロはその年齢では明らかに難し過ぎます。ビー玉は口に入る大きさですから危ないということもあります。難し過ぎて積み木嫌いな子が増えなければいいとも思います。親が遊びたいから買うというならその気持ちはわかります。さらに、せめて3・4歳ならパーツを減らして遊ぶくらいはできます。でも、基本はやはり年齢に即した遊びを提供して、ゆっくり土台を築き、5歳とか小学生になってから構成遊びが好きな子だったら、いろいろある構成玩具の中で、キュボロも一つの候補として考える…というのが、親として、大人として、正しいスタンスではないでしょうか。

いせひでこさんは、1995年1月に起こった阪神淡路大震災の2ヶ月後に、絵描きとして何かを描いて伝えようとスケッチ帖をもって神戸の青ビニールの風景の上を歩きまわりながら、結局何も描けず無力感を持ったまま帰ります。その3年後、いせさんの所に復興支援のための「1000人のチェロ・コンサート」の呼びかけが届き、チェリストのひとりとして参加、そこから『1000の風、1000のチェロ』の絵本が生まれたということです。

それから10年以上の月日がたち、いせさんは『チェロの木』という絵本を描いていて、もうじき完成という時、東日本大震災がおこり、その結末が描けなくなってしまったそうです。いせさんはこの時もすぐに被災地に通い、そして宮城県亘理吉田浜で一本のクロマツの倒木に出会います。そのクロマツは根の裏をさらしたままじっと横たわっていて、ついこの間まで、防潮林や村がそこにあったことを、沈黙というかたちで伝えようとしているようで、初めて被災地でスケッチ帖を開いたということです。その後、伊勢真一という映画監督との出会いがあり、いせさんとこのクロマツのことがドキュメンタリー映画にもなることに。

小学校でお話会と講演を頼まれ行ってきました。
お話会は自宅近くの小学校にはもう20年ほどほぼ毎月行っています。
講演も学校、幼稚園、保育園でしばしば頼まれますが、保護者会やPTAで頼まれることがほとんどでしたので、今回の様に学校主催のものは珍しいケースです。そして、今回はその後、おもちゃも購入して頂きました。
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CIMG0234.JPG日時:8月8日(土)19:00〜 百町森・プレイオンにて「平和のための読書会」パート3を開きました。

68%の人が安保法案をこの国会で成立させることに反対というなかで強引に成立させようとする政府、沖縄の人がNOといっているのに強引に辺野古を埋め立てようとしていたり…、一体、民主主義はどうなっているの?

3回目の今回は百町森の近くの古書店「水曜文庫」店主・市原健太さん、戸田書店静岡本店の古川明大さんにも手伝ってもらい、「民主主義って何だ?」というテーマで話したり、本・絵本の紹介をしました。

水曜文庫の市原健太さんは7月に亡くなった鶴見俊輔さんのことを紹介しました。
戸田書店静岡本店の古川明大さんは石井 光太/著『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち』と小野田 寛郎/著『生きる』の2冊の本を紹介しました。
そして、私は鶴見俊介さんの後継者の1人といわれる高橋源一郎さんの本、その他気になる本・絵本を紹介しました。
(↑これは関連する本)

長崎で「子育てあいうえお」の講演

1410nbcnagasaki.jpg「トムテのおもちゃ箱」さんに呼ばれ長崎に講演に行った時にNBC長崎放送のラジオ番組の取材を受けました。
話した内容は私が最近よく話している
「子育てのあいうえお」についてです。

アナウンサーが作っている
放送局のブログ 
にも紹介があります。

実際の放送内容はこちらから聴くことができます。

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