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COMO(コモ) 2001年7月号(主婦の友社)
あれ! これはなんの形?
クイズのような絵本には言葉を引き出す力があります

柿田友広

 私の個人的な話で恐縮ですが、ずいぶん前に、2才になろうとする娘に『もこもこもこ』という絵本を毎日のように読んでやったことがありました。当時の娘は、まだおしゃべりを始めていません。周りの子はそろそろなのに、わが子は少し遅いかな、と思っていた矢先のことです。娘が突然『もこもこ…』を取り出し、声に出して読み始めたのです。もちろん字は読めませんから、ため込んでいた言葉を絵が引き出してくれた、という感じでした。
 それ以来、私はシンプルな絵本に興味を持つようになりました。ここで紹介したような絵本も「もの」の形をクイズ形式で単純に示すだけともいえますが、それゆえに子どもの潜在的な言葉を引き出す力を持っているのです。
 また、「もの」の形への興味が、科学や詩にもつながっていく要素も持っているのもおもしろいところ。子どもの世界が、さまざまに広がるきっかけとなるに違いありません。

やさいのおなか
■きうち かつ/作・絵
まず「これ なあに」と問い、野菜の断面をシルエットで示す。次ページでカラーの答えが登場。いきなりネギは難しいが、続くレンコン、ピーマンなどはわかりやすい。大人が苦戦するものを子どもがわけなく当てることもあり、親子で盛り上がれる絵本だ。

まるくておいしいよ
■こにし えいこ/作
次のページにくる答えは、すべてまあるい食べ物。ヒントは色と大きさだけで、イメージがどんどんふくらんでいく。どれも「おいしいもの」だから楽しいし、まちがっても気にならない。しかも、まるい形はどこか安心できるのが不思議。

しっぽ
■長 新太/作
長新太という絵本作家はいつも斬新だ。左ページには動物のしっぽだけを示し、右ページは全部塗りつぶすなんて非凡な作家でなくてはできない。ページをめくると日傘をさしたリスやら、しっぽだけのヘビときた。これが笑わずにいられよか。

もこ もこもこ
■谷川俊太郎/作
 元永定正/絵
大詩人がこの絵本のために書いた文字はたったの63。こんな楽な商売はない(笑)。だが待て、読めば読むほど無駄を省き計算されつくした言葉である。また、絵も一見シンプルだが。実は凝りに凝っているのがわかる。まさに絵本の金字塔。

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