05 イベントもいろいろやったけど・・・・・
(当時の百町森店内にて。谷川俊太郎さん)
「絵本のつどい」はその後、木村泰子、スズキコージ、船崎克彦・靖子、寺村輝夫、五味太郎、工藤直子、永田萌、HATAOなどゲストに招き、吉田新一先生を最後に8年続きました。
これ以外に谷川俊太郎、三木卓、佐野洋子、灰谷健次郎…と、私が気になる作家は次々会館等をかりて講演会をやりました。谷川さんは打ち上げ(谷川さんを含め参加者割り勘による)の時、「ビールは僕が奢るからネ。」と言っていてくれたのに、帰る時、最終の新幹線がぎりぎりで、大慌てで忘れて帰ってしまいました。でも、爽やかな印象を残してくれたので、全然恨んでいませんが。(今となっては笑い話)
イベントといえば、灰谷健次郎原作の映画「兎の眼」の上映会ではなんと4千人が集まりました。これはピッポの伊藤さんや他の人たちと実行委員会を作ってやったのですが、私はこれに味をしめ、児童文学が原作の映画会をその後何度かやりました。
しかし、こうしたイベントは、たまには利益がでることもありましたが、総じて赤字でした。本職の本屋も採算が取れずにいるというのに・・・・・。ある時、メリーゴーランドの増田さんに「イベント屋になっちゃいかん」てなことを言われ、それを機にイベントは極力減らし、やるならお店の中や近くでやるという風に変えました。イベントをするなら、お店に親子で来てくれることを目的にしようと決心したのです。
そのスタイルで一番成功したのは月一回人形劇をやるというものでした。これは人形劇団の「栗ちゃん」が企画してくれ、いながらにして全国の面白い人形劇が見られ、私も本当に楽しみました。また、松本キミ子先生の絵の会を開いたのをきっかけに、相沢がキミ子方式でやる絵画教室も長く続きました。ところが、イベントには来るけれど本には興味がないというお客さんがいて、どうにも我慢が出来ないところがあり、(私も若かったってことでしょうネ。)これも結局やめていくことになります。
そして、最後に行き着いたところは、お店こそ一番のイベントなんだということです。毎月訪ねてこられても新鮮な驚きと、飽きない安心感がある店作りこそ私の一番目指すところであります。
(コプタ通信2004年09月号より)