暮らしのあれこれ58 たのしい園芸!~身近な農について考える本~

このコーナーでも、園芸の本は何度も紹介させていただいてきました。7月21日の百町森保育セミナーの講師にお招きしている恵泉女学園大学教授、澤登早苗先生の本を中心に再度ご紹介します。

私は、恵泉女学園大学の公開講座、「有機園芸講座」の参加者として、澤登先生からたくさんのことを学ばせていただいています。そのご縁で今回、先生を講師としてお呼びすることになりました。

恵泉女学園大学の教育農場やオーガニックカフェの写真もお楽しみ下さい。

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おすすめの本

★教育農場の四季 人を育てる有機園芸 澤登早苗著 21×15cm 158p 1,600円+税

著者が教鞭をとる恵泉女学園大学での園芸教育の様子が詳しく紹介されています。この大学では、1年生の必修科目に「生活園芸」の授業があり、学生全員がキャンパスに隣接する教育農場で有機で野菜作りをしています。このユニークなカリキュラムの実践の様子はとても参考になりますし、週1回の授業の中でこんなにいろんなことができることを知ると、少々ずぼらでも作物は育つのだと、気が楽になります。つきっきりでお世話しなくても作物は育つのです。その秘密はどうやら有機栽培にあるようです。澤登先生は『教育現場や家庭において、多くの方々に有機園芸(有機農業)の豊かさを実感してほしい』とおっしゃいます。有機園芸基本のきとなる1冊です。

★恵泉女学園大学のオーガニックカフェ~女子大生が創ったオリジナルレシピ~ 恵泉女学園大学著 26×18cm 88P(オールカラー)1300円+税

スイスチャードの夏野菜炒め、里芋ハンバーグ、枝豆のスープなど、女子大生が教育農場で無農薬で育てた有機野菜を活かして創ったオリジナルレシピ集。管理栄養士監修のカロリー表示付き。お近くの方は是非オーガニックカフェにもお出かけ下さい。フェアトレードのスパイスから作る自家製カレー粉のベジタブルカレーや野菜のケーキなどおすすめです。

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★「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない   大日向雅美著 19×13cm 210p 1,700円+税

著者の大日向先生は、教育相談などでラジオ・テレビに登場する方ですが、東京港区の子育てひろば〈あい・ぽーと〉の施設長で、恵泉女学園大学の教授でもあります。「子育て支援は、親支援」と言い切る著者の実践の場〈あい・ぽーと〉では、恵泉女学園大学と共同事業として本格的な有機園芸を親子で楽しむ「キッズ交流ガーデン」を実施しています。子育て支援の中での有機園芸実践の様子はとても興味深く、有機園芸が食育だけでなく子育て支援にも今後重要な柱になるだろうなと感じました。

★農と言える日本人 福島発・農業の復興へ野中昌法著 19×13cm 179p 1,800円+税

私たちは、3年前の東日本大震災で近代文明の象徴である原子力発電所と農業はけっして共存できないことを思い知りました。さらによく考えてみると私たちは、その前から危機的状況だった農業をどれだけ守ってきたのであろうか?と福島を通して考えさせられます。この本では福島の現実を詳しく解説。厳しい現実ではありますが、少しの希望も見えて、農業の力を感じることができます。私たちはまず福島の現実を知ることで、農業の今後について考えてみてほしいと思います。

★子どもがあそびたくなる草花のある園庭と季節の自然あそび 大豆生田啓友編 小西貴士写真協力 ひかりの子幼稚園・めぐみの子幼稚園著 26×18cm 79p 1,700円+税

美しい植物と子どもたちの豊かな表情をとらえた写真が素晴らしい1冊。園庭の植物や野菜を使っての植物遊びや料理の実践を春夏秋冬にわけて紹介。開園当初の裸の園庭が草花いっぱいになる過程や栽培カレンダーなどご家庭や園で役立ちそうな情報が満載です。

★庭にたねをまこう!J・G・ロビンソン 文・絵 こみやゆう 訳 25×16cm 44p 1,300円+税

春のはじまり、こどもたちが庭に出てきました。庭の落ち葉の下にはスイセンの芽が出てきました。庭師のブロッサムおじさんに手伝ってもらって、種を蒔く準備がはじまりました。畑を耕して、種を蒔き、作物をを鳥、虫、雑草から守り、夏の終わりには収穫をしてガーデンパーティーです。育てることの楽しさ、自然界の循環、収穫の喜び、登場するこどもたちと一緒に幸せな気持ちになりました。ブロッサムおじさんの存在が作品を際だたせています。こんな人が身近にいたら、庭仕事が楽しくなること間違いなし。スモーキーなグリーンとピンクが素敵な1冊です。

★季刊 のらのら  農文協 現在2014夏号 発売中 26×18cm 96p 800円+税

子ども向け農業雑誌「のらのら」が面白いです!子ども向けですが、もちろん大人にだって面白い。カラーの写真満載、元気な子どもが大勢登場、特集や連載も興味深いものばかりです。これは子どもだけではもったいない。趣味で庭先やプランターで野菜栽培を楽しんでいる初心者、学校の先生方にもお勧めです。さすが「現代農業」を出版している農文協の雑誌。情報が確かだし、的確です。
学校高学年~大人におすすめです。

山崎直子

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