暮らしのあれこれ76 ミツバチの危機ふたたび

ミツバチは蜂蜜を提供してくれるだけではありません。ミツバチは果実を実らせるための受粉も行っているのです。ところが、このミツバチが世界的に激減。その原因の1つはネオニコチノイド系の農薬であることがわかってきました。そこで、ヨーロッパでは使用が一時的に中止され、韓国やアメリカでも規制が始まっています。

ミツバチを守ることは、私たちの生態系を守り、畑と子どもを守ることに繋がっています。ミツバチが受粉しなければ、作物は実らないのです。ところが日本では使用禁止どころか使用の拡大や残留基準値の緩和が進んでいます。

昨年、コプタ通信とこちらのブログで、グリーンピースの「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」への呼びかけをさせて頂きました。集まった署名23,655筆はすでに農水省に届けられたそうです(「子ども・ミツバチ保護法」へ次の一歩!2万3千人を超える署名を提出しました!:グリーンピースHPより)。

(前略)殺虫剤としてさまざまな野菜に使われている「ネオニコチノイド系農薬」はいま、世界中で規制が進んでいます。

ブンブン飛び回って作物の受粉を助けてくれているミツバチを、このネオニコ系農薬が危機に追いやっている、という研究が、続々発表されているからです。ヨーロッパでは、その真意がはっきりとわかるまで、一時的に使用を禁止する措置をとっています。

もし受粉を助けるミツバチがいなくなってしまえば、食料の生産が難しくなってしまうので、私たちの食を守るためにも政府が対応するのは当然のことです。

それなのに日本では、その流れに逆行するように規制緩和が進んでいます。実際、去年5月にも、ネオニコ系農薬2種の残留基準値(野菜の中に残っていい農薬の量のこと)が引き上げられたばかり。

さらに追い打ちをかけるように、今月の7日、さらに1種の緩和が決まってしまいました。(後略)

“農薬ありき”の農水省が、オーガニックの足を引っ張っている:グリーンピースHPより)

農水省は生態系を守ったり、子どもの健康を守ったりはしてくれないのです。何故? 皆さんもどうぞ、この問題に興味をもってくださるようお願い致します。

素敵な新刊2冊

「はちみつ」ふじわらゆみこ文 いせひでこ絵 900円+税

20年前に月刊誌の「かがくのとも」出た1冊がハードカバーになりました。この本は大好きな絵本なのでうれしい。

ミツバチがどのように花の蜜を集め、どのようにハチミツになるのか、小さな子どもにも解るよう描かれています。そして、ミツバチたちの四季の様子やハチミツの種類、養蜂家の仕事など素敵な絵と簡潔な文章で大人も楽しめる絵本です。蜂蜜の入門書としておすすめします。

「みつばち高校生 富士見高校養蜂部物語」森山あみ著 1,500円+税

長野県富士見高校には、とても珍しい「養蜂部」があります。ことばの通り、学校の敷地にはいくつもの巣箱が置かれ、ミツバチが飼育されています。この世話をするのが養蜂部の活動なのです。

活動はそれだけにとどまらず地域交流、花や緑を増やす活動、ミツバチを知ってもらう為の広報活動、料理開発にも及びます。そして、創部わずか3年で「農業高校の甲子園」と称される全国大会で優勝を飾るのです。養蜂に興味がある方はもちろん、青春物語としても、胸が熱くなる一冊です。

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