暮らしのあれこれ96 世の中が寛容であることも大切では?
今年、静岡大学教育学部付属特別支援学校の先生とご縁をいただき、私たちが普段やっている仕事(作業)を、高等部の生徒さんたちに提供させていただくことになりました。先生からいただいた資料によると、これは地域委託作業と呼んでいるようで目的は次のように書いてありました。
- 社会とのつながりや納期、基準を明確にした取組にすることで、責任性、効率性、協力性等の態度を高める。
- 現場実習先を見据えた課題別のグループ編成にすることで、より職場らしいかかわりや態度を学ぶ。
百町森でお願いした作業は、
- チェーンリングや花はじきの小分け作業
- カーリングリボン(ラッピングの際貼り付けるクルクル巻きのリボン)の作成
- クリスマスシールへのリボン付け
- 書籍の売上スリップ(書店に並んでいる本にはさまっている栞みたいな2つ折りの紙)の整理
- パンフレットの手折り作業
などです。
私たちはいつも慌ただしくこなしている作業ですが、生徒さんたちにやっていただいたら、断然きれいで、正確なので感動しました。
毎週1回午前中の2時間35分が委託作業の日にあてられているようです。先月通信に同封したパンフレットの一部は、生徒さんたちが折ってくれたものです。
先生のお話では、重さを正確に測ること、リボンを同じ長さに切って、シールにまっすぐにつけること、本のスリップを出版社別に分けること(3?4社のみお渡ししました)など、どれも勉強になるとのことです。
また、花はじきの小分け作業などは、この商品の行き先が想像しやすく、やりがいがもてる作業だとも、おっしゃって下さいました。
今の社会は、完璧さ、正確さ、時間厳守などへの要求が高く、少しでも外れると責任を追求され、生きにくさを感じることがあります。そんな社会の風潮に追従するべくの教育には、少し疑問も感じます。 生徒さんたちとの今回の交流を通して、社会の仕組みがもっとおおらかで、寛容であるべきではと改めて考えさせられました。