以前にこのコーナーでお伝えしましたが、2017/4/14に種子法廃止の法案が国会で可決・成立し、2018/4/1に廃止されました。「種子法」と聞いて、何のこと?と思う方も大勢いらっしゃると思います。「日本の種子を守る会」のFacebookページに詳しく解説されていますので、是非読んで下さい。
さらに今度は、種苗法が改定されようとしています。今までも、たくさんの品種(にんじんやほうれん草など)が農水省の自家採種禁止指定品種となっていたようですが、さらに自家採種一律禁止という提案が農水省から出てきたそうです。これは農民の権利に対する冒瀆であると印鑰智哉(いんやくともや)さんはおっしゃいます。種苗法ついては山田正彦さんのFacebookページと印鑰さんのページを読んでみて下さい。政府の意図することがわかります。
種、農薬、化学肥料をセットにして日本の農業をのっとろうとする民間企業(海外)の存在が見えてきます。食の安全が売り渡されようとしています。日本では、農薬(ラウンドアップやグリフォサートなど)の残留基準値が引き上げられて、世界の中でも農薬の使用が多く、国産が安全という時代ではなくなってしまいました。さらに、遺伝子組換、ゲノム編集と心配はつきません。アメリカやヨーロッパ、韓国、ロシア、中国など国を挙げて有機栽培への流れを加速させているのに、日本は世界の流れに逆行しているのです。
私は自宅の庭で家庭菜園をしたり、花を植えたりと庭でのプチ農業を楽しんでいます。種苗法が改定されたら、どうなってしまうのだろうと心配でたまりません。今年の庭の「オクラ」は昨年種取りをして植えたものです。今年も種を採る予定です。こんなことができなくなってしまうのでしょうか?友人との種の交換も楽しみの一つです。F1(一代雑種)の種を買って蒔くことが多いのですが、なるべく自分の畑の種を採って繋いで行きたいと思っているのですが・・・。
オクラの花
収穫直前のオクラ
種採り用のオクラ
種子を取り巻く諸問題から、勉強するにつれ、絶望的になります。自然の恵みを受けながら、自然に感謝し、多くの人と共存していきたいと思っているのに、あらぬ方向に連れて行かれそうです。私たちが生きていく上での権利となる大切な食に関わる種子の問題にたくさんの人が関心を持ってくださるとうれしいです。
(山崎直子)
おすすめの1冊
売り渡される食の安全
山田正彦著
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054-251-8700
安心・安全の放棄に突き進む――なぜ日本だけが世界と逆走するのか?
私たちの暮らしや健康の礎である食の安心安全が脅かされている。日本の農業政策を見続けてきた著者が、種子法廃止の裏側にある政府、巨大企業の思惑を暴く。さらに、政権のやり方に黙っていられない、と立ち上がった地方のうねりも紹介する。
(出版社解説)
とても読みやすく、知らなかったことがたくさん学べます。そして加速する世界の有機農業のあり方からは、希望も見えてきます。山田さんの行動力や信念からエネルギーをもらえる一冊です。