読み聞かせに向いている絵本 2 『どろんこハリー』
今月は『どろんこハリー』という絵本を紹介します。表紙(写真)を見て下さい。白黒反転した犬が左右に向きあっています。これにはどんな意味があるのでしょうか?
《内容》ハリーは黒いぶちのある白い犬です。なんでも好きだけど、お風呂に入ることだけは大嫌い。ある日、お湯を入れる音がするとブラシを裏庭に生めて、自分は遊びに行ってしまいます。道路工事をしているところ、鉄道線路の橋の上…、ハリーは泥だらけすすだらけになります。 そして帰って来る頃には、白いぶちのある黒い犬になっていたのです! 家の人は「ハリーみたいだけど、ハリーじゃない。」と言います。(本当は分かっていたのかも)そこで…。 ハリーが最後にとった行動の可愛いこと可愛いこと。
この絵本、表紙から最初の文章の出だしまでに4回ページをめくるのですが、すでに絵だけの中にかなり大事な物語が始まっています。これが、伏線になるので、表紙からページをゆっくりゆっくり見せていく必要があります。 子どももそうしたゆっくりした時間の中に、物語に入る準備をするものですからね。
アメリカでは1956年に、日本でも1964年に出たこの絵本、半世紀の重さがある名作のロングセラーなのに、出たばかりの本のような新鮮さがあります。
ジーン・ジオン文、マーガレット・ブロイ・グレアム絵、わたなべしげお訳
- どろんこハリー/ジーンジオン・マーガレットブロイグレアム
- 1,200円+税(10%税込1,320円)