2010年9月に書かれたブログ

私の自宅は静岡市の西北にあります。住所は葵区牧ヶ谷373‐11です。この夏ここに家庭文庫をオープンさせました。家庭文庫というのは、子どものために本を貸したり、「絵本の読み聞かせ」や「おはなし」をする小さな小さな私設図書室のことです。


名前は南藁科文庫ごたごた荘です。『長くつしたのピッピ』から頂いた名前です。毎月第一と第三日曜日の8時半〜10時半に開いて本の貸し出しをしています。9時半位からお話会をします。
私の子供たちが南藁科小学校に通った時に地域の人たちにお世話になったので、今度は恩返しをしようと思っています。
突然予定を変更することもありますから、ご注意下さい。


文庫は藁科川に架かる牧ケ谷橋を南側に渡った所です。下の地図で、藁科川と書いてある辺りが木枯しの森がある所です。 安倍川を渡り鮎釣りで有名な藁科川の傍で、里山に囲まれたこの地は自然が豊かで、大変素晴らしい場所です。 ご近所の方一度尋ねてみて下さい。


文庫のそばには枕草紙にも登場する名勝「木枯しの森」があります(左写真)。皆さんこれを目指して来てください。静岡駅から車で20分位です。

人形作り 3時半

ウォルドルフ人形の講習会も3時半を過ぎる頃にはだいぶ出来てきました。

この人形作りの講習会は11月14日にもあります。

『日曜日島のパパ』
ベッテル・リードべック/作 菱木晃子/訳 杉田比呂美/絵 本体価格1600円

スウェーデンの児童文学です。
ウ゛ィンニは8歳、ワンピースなど着ない元気な女の子。パパと夏休みの間だけ日曜日島で過ごす。友達のオッレと岩山から海に飛び込んだり、夏至のお祭りをしたり、島には面白くて優しい人がいっぱい。

一見パパと娘のほのぼのストーリーだが、パパはなかなかの偏屈で、普通よくある素直な話では終らない。
両親の離婚はもはや当たり前のテーマだが、パパが一人の男性として描かれていて、ウ゛ィンニがそこも理解しようとしている健気さとたくましさが感じられる。
児童文学が避けて通っていた男の「性」の部分も敢えて向かっているのか、なかなか隅に置けない作品だ。
絶対理解し合えないだろうと思っていた人と仲良くなる最後の展開も嬉しい。大人の私もちょっと興奮した。
シリーズ第一作ということで、続編が楽しみだ。小学校中学年から読めるが、ちょっとおませな高学年の女の子なんかに特にオススメ。

『ねこガム』
きむら よしお/作・絵

男の子が風船ガムをクチャクチャ噛んで、風船を膨らませる。プーッ。もう一回、プーッ。アレれ、なぜか風船にもに顔が出て来て、猫の顔になったと思ったら、その猫が男の子を吸い込んでしまった! ちょっとシュールで怖い!話。

絵本の読み聞かせの合間なんかに息抜きにいいですね。

人形作り

今日はウォルドルフ人形の講習会をしています。気候がやっと秋らしくなり、ウールを触るのにも気持ちがいいですね。

この人形作りの講習会は11月14日にもあります。

『大きな大きな船』
長谷川集平/作・絵

 「父さんに母さん役までやってほしいと思わない」というぼく。どうやら母とは死別したばかりか?? 父も船乗りでいないことが多いのだろう。慣れない父子の物語が綴られる。集平ファンならおわかりだろうが、この絵本も、説明的でない文章の行間に文学があり音楽がある。そして全体に温かいメッセージを感じないではいられない。
本体価格1200円 10歳〜

『ミュージアム・トリップ』
バーバラ・レーマン/作・絵

 学校で美術館見学に行った日、男の子は皆とはぐれてしまう。美術館はただでさえ迷路のようだが、古い迷路が陳列されている不思議な部屋に入り込み…。『レッド・ブック』でコルデコット賞次点になった作者の大人同士でも贈り物にしたくなる魅力的な文字なし絵本。
本体価格1300円 8歳〜

(この本は’08年10月刊ですが、’09年に出会ったのでここに取り上げました。)

『しごとば』
鈴木のりたけ/作・絵

 美容師、新幹線運転手士、すし職人、自動車整備士、木のおもちゃ職人、革職人、歯医者、パティシエ、グラフィックデザイナーの9の仕事場をそれぞれ4〜6ページ使って克明に紹介。よくある学校図書館ように作った説明的な本は無機質的なものになりがちだが、これは違う。働く人の表情がすごくいい。「愛を込め、半端ない取材をして描きました」感がヒシヒシと伝わってくる絵本だ。このニートの時代に各家庭に一冊あってもいいかも。インパクトの強い本。
本体価格1700円 8歳〜

『ぐぎがさんとふへほさん』
岸田衿子/作
にしむら あつこ/絵

 角張って固い「ぐぎがさん」と、丸くて柔らかい「ふへほさん」はやることなすこと全て反対だが大の仲良し。ある日二人は釣りをしに海へ行き、「ぐぎが語」と「ふへほ語」の海のうたで大盛り上がり。言葉の音としての面白さを楽しめる。詩人の言葉に対するセンスが光る絵本。(読み聞かせなどで使う場合は、あらかじめかなり練習しておく必要がある。)『…ホネホネさん』の作者によるモノクロの絵も抜群に効果的。
本体価格800円 3・4歳〜

『もっと おおきな たいほうを』
二見正直/作・絵

 王様は家宝にしている大砲を撃ちたくてたまらない(ナント物騒な!)。そこで川で魚を捕っていたキツネを大砲で追っ払う。ところがキツネはもっと大きな大砲を持ってきて…。話も絵もユーモアたっぷり、皮肉たっぷり、力の抜けた戦争批判絵本。結末も可笑しい。読み聞かせでは大いに笑いを誘い盛り上がる。
本体価格800円 3歳〜

『山からきたふたご スマントリとスコスロノ』
影絵芝居ワヤンの物語より
乾千恵/再話
早川純子/絵
松本亮/監修


 はるか昔、美男子に生まれた兄スマントリと、醜さゆえに捨てられた弟スコスロノの双子兄弟の絆の物語。王から命じられた難題で窮地に陥る兄を救う弟、だが兄は仕える王の命令で弟を…。ジャワ島に古くから伝わる壮大な物語世界に惚れ込んだだけあって乾千恵さんの見事な語りと、それに負けない早川純子さんの迫力満点の絵で、絵本を超えた芸術作品となった。
本体価格1700円 小学中〜

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