ハンガリーの旅の話の続きです。
マイバの乳児保育園で見た光景で印象に残った事を続けます。
子供たちが日本から来た見学者のせいでやや不安定になっていたのでしょう。そこで先生はジムニクの直径50cm位のボールを取り出し1人づつ乗せ、わらべ歌を歌いながら、ぴょこぴょこゆすりはじめたのです。
皆が乗りたがった訳ではないのですが、乗せてもらうことで何人かは安心感を取り戻し、笑顔になってきました。写真の男の子は何度もやってもらっていました。
この後、いつもの順番で1人ずつ食事になったのですが、もう1人の先生に呼ばれ、整然と行く様は見事でした(最初の子は紫の服の女の子でした)。
ここにも「流れる日課」が稼動していました。
昼食はシチューのようなものでした。肉だけトッピングの様に別の皿に盛られていました。シチューの量も肉も子どもの希望を訊いてから器に盛っています。子ども主体という事が感じられる瞬間でした。
先生たちの言葉掛けはたえず静かで、日本の保育園でしばしばみかける子どもに媚びたり赤ちゃん言葉をつかうということもなく、丁寧で、「まるで親のようだ。」と感想を述べる参加者もいました。
子どもの人格を尊重しているんですね。
食事が終わった子からどんどんベッドに向かいます。
この子は自分が家から持って来たぬいぐるみを取りに行き、それを抱いて、うつ伏せになり、毛布を掛けて、さっさと眠りについていました。そのぬいぐるみも、きれいに整理された場所から何の迷いもなく持ってきて、それも見事でした。
その後、他の子もほぼ同じように家から持ってきたものを取りに行き、コットに寝ていきましたが、すでに眠りについている子もいましたが、最後は先生に本を読んで貰っているうちに皆が眠りにつくという流れでした。
やあ、お見事おみごと!
その間、子ども同士の争いなど全くなく、育児=教育というハンガリーの保育に対する姿勢をを実感した次第でした。
「父母からのクレームにどんな対応をしていますか?」という参加者の質問に、「クレームが出るような保育をしていないので、質問に答えられません。」という答えでしたが、これはハンガリーの保育を象徴していると言えますね。
乳児と幼児では資格が違うちうことからも、先生たちのプロ意識がより強いのかもしれません。