'10年に出た印象に残った本
その5 こんなみせしってる?
’85年にかがくのともとして出た時でさえ、もうこんな店知ってる人は少ないだろうなって思った。でもまだ、当時は作者の住んでいた街には実在していたらしい。
あれから四半世紀以上たった今、こんな店にまずお目に掛かる事はなくなった。
だがスーパーやコンビニや量販店にはこの楽しさがない。さびしいね。
『こんなおみせしってる?』
本体900円+税
藤原マキ作
卵屋、酒饅頭屋、豆腐屋、靴・傘・鞄の修理屋、床屋(昔風)、駄菓子屋、金太郎飴などを作る飴屋、サンプル屋、縁起物屋、かつら屋、人体模型などを売る店、ヘビ屋、ブロマイド屋、人形館、時計屋。
どの店もちょっとノスタルジックに描いてあるが、これは絵を描いた藤原マキさんのテイストだろう。この人のお連れ合いは、『ねじ式』などの漫画家つげ義春なのだが、その独特なテイストにも近い。(つげファンも買うべし!)
ここは芝居小屋かと間違えてしまいそう。お店ってライブなんだって思わせてくれる絵本だ。本当に興味津々に隅々まで見てしまう。
4歳〜 26x23 28p