絵本作家センダックは私には神様的存在だった。
『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダックが亡くなった。私が絵本について話をする時、必ず『かいじゅうたちのいるところ』について話した。
少年マックスが現実の世界でかいじゅうごっこをしている時のシーツの様な布が、ファンタジーでかいじゅうの島へ行った時のテントになっている事や、三日月が満月になる意味などを話した。子どもにとってファンタジーとは何かという事を大人に説明するのにもってこいの絵本なのだ。
『まよなかのだいどころ』にはこっそり自分の誕生日を描くユーモア。『まどのそとのそのまたむこう』では母の胎内の記憶を描いているが、モーツアルトが出てくる!!何故?『シャーロットとしろいうま』ではシャガールへのオマージュとも言える色使いなが効果的にされていたり…。
謎の多いセンダックの絵本だが、同時に読者のこころに深くはいり込んでくる。同時代を生きたことを私の誇りとしたい。