読み聞かせに向いている絵本 55 『クリスマスのりんご』

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クリスマスを楽しみに待つにはやっぱり心が温かくなるようなお話がどうあっても必要ですよね。
そんな宝石のような短編を集めた本がでました。
7人の作家による素敵な9つのお話が入っています。再話が3つ創作が6つ。

ルース・ソーヤー、アリソン・アトリーほか/文
上条由美子/訳 
たかお ゆうこ/絵  
本体価格1500円+税

 最初は2匹のやさしい兄妹ネズミの話。
ネズミたちは女の子が下げた靴下の中のリンゴを食べようとして穴をあけてしまいます。しかし、それがクリスマスの大切な贈り物だと気が付いて泣いていると、靴下の中のお砂糖でできたネズミが、やはり贈り物の裁縫セットを使って穴をつくろってくれ、女の子はたくさんプレゼントが入っていたのでちっとも気が付かない、というかわいい結末(エインワース)。

森の小さなモミの木がクリスマスツリーとしてある家に連れて行かれるお話も素敵です。孫たちのためにツリーを用意したおじいさんがクリスマスが終わるとモミの木を元の場所に植え戻してくれたので、モミの木はまわりの木たちにすてきなクリスマスの話を何度もせがまれたり、自分の枝にある巣にツグミが返る春を楽しみに待ったり…(アトリー)。

さらに動物園の動物たちがクリスマスパーティを開く話(ヘレン・クレア)や、使われなくなった子ども部屋の片隅の人形の家で人形たちがクリスマスのお祝いをするお話(アトリー)など。

 どのお話もクリスマスらしく、かわいくて満足な結末なので安心。クリスマス前の9日間、ひとつずつ読み聞かせるのも楽しいかも。
訳文もわかりやすく、さし絵も多いので中学年位から自分で読むのにも向いています。
(この紹介文はいつもお話会でお話をしてくれるツキちゃんこと 築山真希子でした。)

贈り物にも最適。

読んであげるなら4歳〜

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