エンツォ・マリ
1932年ノヴァーラ生まれ。ミラノのブレーラ美術学校では「視覚心理学と企画設計方法論」の研究に従事しました。卒業後、ブルーノ・ムナーリの紹介でDANESE(ダネーゼ社)でプロダクトデザインを手がけるようになりました。イタリアをはじめとする各国の大手メーカーのために1600点以上もの製品のデザインを手がけ、その美術作品や製品は各地の美術館に収蔵されています。1967年と1979年、1992年にコンパッソ・ドーロ賞(金のコンパス賞:ADIが主催するデザイン賞)を含め、40もの賞を受賞しています。
現在もミラノにスタジオを構え、制作活動を続けています。芸術における視覚心理学や知識構造の研究など、緻密な分析に基づいたアプローチから導き出される、必要善から生まれる美しさがエンツォ・マリの作品を特徴づけています。
ダネーゼ時代の作品
Edizioni per bambini
イタリアのダネーゼ社は、子どもの創造力を刺激し豊かにするための「道具」に、1960年代から積極的に取り組んでいました。「エディツィオーニ・ペル・バンビーニ Edizioni per bambini」と名付けられたこのシリーズには、エンツォ・マリが1957年に発表した「16の動物 Sedici animali」や、ブルーノ・ムナーリの「プラス・マイナス Pi e meno」(1970)「本に出会う前の本 I prelibri」(1979)といった名作も多く含まれていました。時代を先取りしすぎたせいか、販売は思うように伸びず全て廃番となってしまいましたが、近年になって評価が高まり、一部の商品はダネーゼ社やコッライーニ社によって復刻品が発売されるまでになりました。しかし「名作」の声が高くても、製造コストが高いため復刻できない作品もあるそうです。当時のダネーゼ社が、「ぜひ子どもたちに手渡したい」という高い志と強い使命感を持って、このシリーズを世に送り出していたのは間違いありません。
Carte da disegno 2
ドローイング・カード2 貨物列車
- B14 ドローイングカード2貨物列車/E・MARI
- 1,600円+税(10%税込1,760円)
貨物列車や折りの中に何を描こう?