ライトニング・メアリ 竜を発掘した少女

  • ライトニング・メアリ 竜を発掘した少女/アンシアシモンズ
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商品の説明

19世紀初頭のイギリス。海辺の小さな町で暮らす少女メアリは、家具職人の父や兄と一緒に崖や海岸で化石を堀って観光客に売り、貧しい家計の足しにしています。ある時、化石掘りの師でもあった、愛する父親が崖の崩落で大けがをします。過酷な介護護生活を乗り切り元の日常が戻ったのも束の間、父は肺病になって亡くなってしまいます。

そんな苦しい日々の中でもメアリは化石や生物の骨格など科学への興味を持ち続け、裕福な友人・知人の助力や持ち前の行動力で、わずか12歳でイクチオサウルスの全身骨格を発見しました。

実は子どもの頃大好きだった「海辺のたから」という作品も本作と同じく、重要な化石を発見した実在のメアリ・アニングという女性が主人公でした。が、それぞれの作品で描かれるメアリの人物像は大きく違います。「海辺のたから」のメアリは高学年向きの児童文学らしいお行儀のよい(?)少女ですが、本作のメアリは気性が激しく歯に衣着せぬ物言いをし、良妻賢母になることを求められた当時の女性の生き方に反発する、とても現代的な女性です。

メアリ自身の一人称で語られ、彼女の感情の起伏や実際に親交のあった裕福な少年ヘンリーとの友情なども細やかに描かれます。対象も中高生以上向け。貧しさや介護などの描写もリアルで、読みごたえがあります。

巻末のあとがきには実在のメアリについて記録から読み取れる事実と、作者が想像で補った部分についても書かれていて、こちらも興味深いです。このあとがきまで読み、メアリ・アニングという女性の存在そのものが魅力的なのだなと再認識しました。メアリをご存知だった方にも初めて出会う方にも楽しんでいただけると思います。歯切れのよい訳文でさくさく読めます。

(コプタ通信2022年8月号より つきちゃんこと築山真希子)

赤ん坊の頃、落雷に直撃された少女、メアリ・アニング。父親からは「稲妻メアリ」と呼ばれ、観光や避暑にくる客に売りつける「珍しい石」をライム・リージスの海岸で見つける仕事を手伝う。これらの化石は大昔の生物ではと考えたメアリは、身分を超えて友情を結んだヘンリーやエリザベスと、地質学や自然科学への情熱を育んでいく。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: アンシア・シモンズ
訳: 布施 由紀子
絵: カシワイ
内容: 304ページ
製作: 岩波書店 (日本)
初版発行日: 2022年02月25日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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