エルツ山地地方の木のマイスター達との出会い

ドイツ木工芸 美と技を探る

  • ドイツ木工芸 美と技を探る/中村一行
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エルツ山地の木工芸品について知りたい人の必読書

商品の説明

エルツ山地の木工芸品を愛する人たちにとっての待望の書が出ました!60を超える工房の歴史や作品を現地を訪れた際のインタビューや写真を交えながら、愛情たっぷりに紹介しています。

著者の中村一行さんは、エルツ山地の木工芸品を輸入販売する会社「カルニー」の社長で、町田市で「小さなミュージアム」というショールームを運営しています。20年にわたって、エルツ山地の工房を訪れ、マイスター達との交流を続けてきたそうです。

その一方で、多くの作家方が次世代に継承したり、廃業あるいは他界されていくのを見て、各工房の作家や作品について記録を残そうと中央大学の季刊誌「中央評論」で連載されたそうです(2014年夏から2021年秋)。

その貢献が現地でも認められ、2023年にドイツ・エルツ山地地方の「Tradition & Form」賞をご夫妻で受賞されるという、大変な栄誉を受けられました。 私の知る限りでは、エルツ山地の工房の作家さんが受賞する賞なので驚いたのですが、外国人が受賞するのはなんと初めてのことだそうです。

この本は「中央評論」での31回分の連載を補筆し完成させたもので、61の工房がカラー写真とともに詳細に紹介されています。 ほとんどの写真はおそらくご夫妻が撮影されたものと思われますが、プロの綺麗な写真とは一味違う、作家達の表情や作品が生き生きと映されているのは、中村夫妻の愛情あってのことではないでしょうか。 エルツ山地の工房や作者、作品について知りたいという人には必読の書です。

ここからは余談

エルツ山地の工房は小さなところが多く、2000年ごろはホームページを持っていなかったり、あったとしてもかなり貧弱なページだったり、というのがほとんどでした。

参考になったのは、この本でも引用されている「Erzgebirgische Volkskunst」(Helmut Biltz)や、「Holzspielzeug aus dem Erzgebirge」(Manfred Bachmann, 1984)などの専門書(著者のバッハマンはドレスデン美術大学の客員教授で、Gotthard Steglichを指導したとこの本に書いてあります)や、ニュルンベルクの玩具博物館が発行する「Toy Museum Nuremberg」などでした。

もちろん各工房のサイトも見ましたし、ザイフェンのおもちゃ博物館のサイトには論文的な資料が充実していました。ただ、表層的な部分は調べることはできても、細かいところ、深い部分はやはりわからないものです。

この本は、20年にわたって現地を訪れ、さまざまな工房での交流を続けた著者によるものだけあって、一つ一つの工房について非常に詳しく紹介されています。 また、「なんとかフラートっていう工房がたくさんあるけど、どういう関係なんだろう?」といった疑問にも答えてくれます。

(スタッフささき)

ドイツ東部・エルツ地方に文化として根付き、生活を彩る木工芸。 表情豊かなくるみ割り人形、煙出し人形、ユニークな市民像などの作品と、「木のマイスター」たちの主な工房の歴史を多数の写真と共に紹介しました。

著者は長年の普及活動により、現地の優れた木工玩具に贈られる「Tradition&Form賞」功労賞を外国人で初めて受賞。

(出版社サイトより)

商品詳細

著: 中村一行
内容: 263ページ
製作: 日貿出版社 (日本)
初版発行日: 2024年05月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

この記事を書いた人

ささき佐々木隆行

2000年に百町森にジョインしたw古株。2人の息子の子育て中に、テーブルゲームにずいぶんと助けられる。 『絵本の読み聞かせ』のように、『家族でゲーム』を文化として根付かせたいという思いで、毎月1回「家族でゲームの日」を開催。ホームページ、ライブ配信、オンラインイベント、動画編集、ネット・IT関連担当。似顔絵イラストはコイズミチアキ(@koizumichiaki2)さん(スタッフ紹介ページへ

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