相沢の仕事日記 その1

「なおやこどもクリニック」さんの巻(2.おもちゃ・絵本のリストアップ・組み立て)

プランニング

○月○日 おもちゃの検討開始

待合室の中に置くおもちゃの検討に入る。坂口さんの希望に沿いながら、おススメのおもちゃのリストアップを作成。これもFAX、メール、電話のやりとりで検討してゆく。細かいパーツがあるもの、音が出るものを避けて、なるべく管理しやすいモノを…と選んでゆく。

まず、最初に決まったのは、ままごとコーナーである。エルフ社の新製品、流し台レンジのロングタイプ(流しとレジの間に調理するスペースがある)、冷蔵庫、電子レンジ等々。あと、ゲミノにお店屋さんコーナーがあるので、これに関連するカゴや入れ物を選ぶ。リストアップの仕事は楽しい。

おもちゃのリスト

○月○日

リストアップ終了。FAXでリストを送る。ついでに家具類を設置したイメージ図を作ってみる。ゲミノのラフに流しや冷蔵庫、テーブルを配置。もちろん、物の長さを測りつつ、同じ縮尺で書き込んでいかないと、現場でモノが入らなかったりするから注意しながらの作業である。コンピューターの3次元CADあたりでする仕事を、私は全て手描きでやる。今の所、この方が早いし、なにより楽しい。イメージ図もFAXする。

ショッピングモール内側

外側から見た図

○月○日 おもちゃも描き込んでしまう

このイメージ図を作る作業があんまり楽しいので、この図に、リストアップしたおもちゃもはめ込んでみる事にする。正確に1点ずつイラスト化して、置くべき位置を決め描きこんでゆく。

このプロセスで私は1つ画期的な事を思いついた。それは、ゲミノのお店の部材の板を一枚外して、流し台レンジの正面ボードに代用するというもの。流し台レンジロングタイプは、流しと調理スペース、レンジの位置関係は完璧なのに、正面ボードが付いていない。そこが私は不満でならなかったのだ。しかし、ゲミノの板を見ると、ぴったり120cm、使える!! やった〜と、小躍りする私。もっとも坂口さんの意見を聞いてからの話だが、ぜひ実行したいと思い、イメージ図の中にもこれ(移動)を描き込む事にする。

白木流し台(Lタイプ)

おもちゃを描き込んだイメージ図

○月○日 おもちゃ決定!

坂口ご夫妻にも、私のおもちゃ入りイメージ図を喜んでいただき、なによりである。おもちゃは、私がリストアップしたものをベースに、坂口さんが選んだもの、やめたもの、色々あわせて全て決定し、ご注文いただく。ありがとうございます。輸入元、アトリエ・ニキティキ他にすぐに発注する。

なおやこどもクリニックのトレードマーク(©たむらしげる)

○月○日 絵本もリストアップ

裕紀子さんから「待合室に絵本も置きたい」という希望がくる。「おまかせするから、100冊選んで」とのこと。信頼していただき、光栄の至りです。絵本は店の絵本棚からチョイスしてゆく。1点だけ、坂口さんからのリクエストがあり、「クリニックのロゴマークを絵本作家のたむらしげるさんに頼んだので、たむらさんの絵本を何冊か入れて欲しい」とのこと。了解です。FAXでロゴマークを送っていただく。うまい!! シンプルで素晴らしいイラストレーションだ。

ランスロットシリーズ全3冊他、数点を選ぶ。絵本は定番を中心に、私の大好きな本ばかりを選ばせてもらう。この作業も楽しい。今森光彦の『世界昆虫記』はちょっと高額で迷ったのだけれど、入れさせてもらった。

○月○日 納品日決定

開院は、2006年4月下旬を予定しているとの連絡があり、納品日を決定した。納品はゲミノ、おもちゃ、絵本、全て4月3日に決まった。ゲミノの組み立てがあるので、私も納品日の翌日に現地に行く事にする。

4月4日、組立て

さあ、今日は納品、組み立て日である。朝、7時18分の新幹線に乗って、いざ東京へ…。約束の9時半前にクリニックに到着。すぐに坂口ご夫妻とお姉ちゃんと弟(小学生と園児)も到着。裕紀子さんとは何度も電話でお話ししていたのだけれど、会うのはこれが初めて。思ったとおりのイイ感じのご一家だ。「はじめまして。」

さて、まずは届いた荷物の検品だ。これは百町森から送る時にも私自身で検品しているので、まちがいなし…と。次に家具類(レンジ・棚)の組み立てである。ブロック社の家具は、とても品質が高く、安定感がある。私は、たぶん日本一数多く、これらの組み立てをしていると思う。ま、慣れたもんだね。とはいえ、流し台のロングタイプはこれが始めての組み立てである。

設置前の状態

家具類の組み立て完了

10時過ぎ、柿田到着

さて、ロングタイプには1点だけ問題があった。高さの調整ができず、レンジのある天板までの高さが60cmの1タイプのみなのだ。背板の高さが60cm。ただし、横板には53cmの位置に穴が開いている。(これは、ショートタイプと部材を兼用しているからだ)病院の待合室は、いろんな年齢の子が遊ぶという事を考えると、やはり53cmの方がいい。坂口さんと相談して、背板を7cm切り落とす事に決める。柿田にノコギリを買ってきてもらい、背板を切り、高さ53cmのロングタイプが完成! 後はゲミノの板が正面ボードに付けば完璧なのだが…。

須田氏と共に組立て

午後1時、(株)アネビーの須田氏がゲミノと共に到着

早速、積み込み作業、梱包をとく作業に続き、ゲミノの組み立てを手伝う。さて、問題のお店やさんごっこの板だが、残念ながら、幅が120cmに3cmほど足りないため、流用する事は不可能と判明した。く、くやしい…。あきらめきれない私は、クリニックの向かいにあるDIYホームセンターに正面ボードを探しにゆく。あった! ありました。ピッタリサイズの板が。結局それを買って、流しに取り付ける事に成功したのだった。そして、予め用意してあったネットと取り付け金具、お玉、泡立て器、ふきん等をそのボードにかける。(これらは百町森からのサービス)

私(手前)は、流し台の正面ボード取付作業中

柿田、別の用事があって退席。入れ替わるように横山氏が到着

いろいろあったが、ともかく、こうして待合室のプレイコーナーは見事に出来上がったのだ。世にもめずらしい「子どもが行きたくなっちゃう小児科」として話題を呼ぶにちがいない。仮病のリピーターも増えるかも…。坂口ご夫妻にもとても喜んでいただき、ホントによかった。私としても最初から最後までとても楽しく、充実した仕事であった。

ゲミノもかなりできました

ついに完成しました!

全体

お店やさん

丸窓(奥は流し台)

流し台(特製の正面ボード付き)

丸窓の内側

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