読んでやれば親の財産にもなる
本は読んでやるもの
そもそも、子どもにとって読書とは、本を読んでもらうことである、と私は言いたい。読んでやることが親の務めであり、喜びであってほしいものです。
最低五年生まで、できれば高校生まで読んでやるのがよい、と私は考えています。岩波少年文庫や、福音館書店の世界童話シリーズを、子どもとの共有財産にしたいと思うと、そのくらいの年数はどうしてもかかるのです。
これを、甘やかしと考える人がいます。「だから一人で読まないんだ」と、そういう人は言います。だが、この多感な子ども時代に、人類の文化遺産である昔話も古典も読んでもらえばこそ心に残るものなのです(たまに、一人で読んで心に残る子もいるけどね)。
本当だよ、お試しあれ!
(文:柿田友広、絵:相沢康夫)