親の意思と威厳を示す
本は親が選ぶもの
さて、親の趣味と子どもの読書の両方を円滑に運ばせるために、本選びは慎重にしなければなりません。古典や、評価の定まったロングセラーを、奥付を見たり、あらかじめガイドブックで調べておけばなおよいでしょう。「すいせん図書」「課題図書」は過去一年以内に出版されたものだから避けた方が無難です。
こうして選んだ本は、たいてい地味な表紙で、装丁も貫禄があります。「この本どう」などと子どもに意見をきこうものなら、「こんな本ほしくない」と断られるでしょうから、親の意志を強く持ち、決断します。なおかつ、子どもへの押しつけにならないように、家に帰ったら親の本棚に置いておきます。「見せて」などと言ってきたら、「後で読んでやるから、きたない手でさわるな」とか「手を洗ってこい」などともったいぶって、親の威厳ってやつも示そうではないか。
(文:柿田友広、絵:相沢康夫)