1.遊び(ゲーム)について

遊び(ゲーム)とは何か?私にとっては、生活に役立つ一般的なものと、そうでないものとの間に、大きな違いがある。役に立たない全てのものが、私にとって遊び(ゲーム)である。ドイツ語では、それに対応する言葉が残念ながら一つしかない。英語では、ゲーム(games)とおもちゃ(toys)という言葉があって、両者は全く異なるものである。ドイツ語では、おもちゃは遊び(ゲーム)と一緒に分類されているが、それは大きな間違いである。おもちゃは道具で、遊び(ゲーム)はシナリオ(状況)である。

何を言いたいのかと言うと、遊び(ゲーム)は仕事の反対であるということだ。仕事とは、何かいやなこと。いやなことはできるだけ少ししかしない方がいい。あらゆる文化というものは、人が働かないことにかかっている(そうでなくては文化なんてない)。文化はレジャーで、文学や演劇などを含む余暇で、ありふれた生活とはかけ離れている。それは、その生活から降りるプロセスである。人はそこで何を見つけるか?人は再び生活を見つける。しかしその生活とは、秩序があり、自分自身で生み出し、意味を持ったものである。それ自身は物質主義的なものではない。哲学や数学といったゲームのようなものの多くはある意味ーそれは秩序を持ち、リズムを持つーを持っている。

私たちは、ものを分類する内的な欲求を持つ。初めてそれをはっきりと認識した時のことを、私は決して忘れないでしょう。私は浜辺で、小さな、本当に小さな子どもに出会った。その子どもは、小さな石で遊んでいて、それを一列に並べていた。そこで私は思った。「これが人間だ!これが人類の始まり、数学の、哲学の、芸術の、そして全ての美学の始まりだ!この子どもがそれを示している。」

ヘリコプターで原始林の上空を飛んで、直線や円の軌跡を見つけると、そこに人間がいたということがわかる。特に四角形や円を見ると、人がここで遊び(ゲーム)をしていたということがわかる。つまりこれが遊び(ゲーム)の性質のひとつである。遊び(ゲーム)は菱形か円から成り立つ。人間らしい幾何学の境界がないと、遊び(ゲーム)をするのは大変である。テニスコートであれ、チェス盤であれ、遊び(ゲーム)はこの境界の中で行われる。

訳注

ドイツ語のSpielには、「遊び」「ゲーム」「試合」などの意味があります。英語のplayに近いかもしれません。この章では特にゲームに限らない遊び全体について語っているように思われましたので、「遊び(ゲーム)」と訳しました。

この段落は意味が把握できませんでした。訳のわからない日本語ですみません。意味がわかる方、ぜひ教えてください。

補足(2017年5月3日)

このインタビューのドイツ語原文(Alex Randolph im Gespraech)はspielbox-onlineに掲載されていましたが、現在では削除されています。アレックス・ランドルフ氏ご自身から承諾を得て翻訳を掲載しています。

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