相沢の修理日記 14

14. アングーラがグラグラに・・・

ある保育園からの修理依頼です。「アングーラの一番大きいパーツがグラグラになっちゃった」とのことでした。

まァ、よくある修理です。長年使い込めば接着面がはがれることもあるんですね。(ボンドをつけて貼ればいいんでしょ)と、簡単にお考えの方、ところがどっこい、この修理は意外に手間もかかるし、気も遣います。では、さっそく直してゆきましょう。

(2006年9月 相沢康夫)



カルテ

  • 商品名:アングーラ(一番大きいパーツ)
  • 製造:ネフ社(スイス)
  • 状況:接着面がはがれてグラグラ
  • 依頼主:M保育園(静岡県)
  • 担当:相沢康夫

修理内容

1.接着面がはがれています。1辺2.5cmの正方形の接着面に、2本のダボが対角線上に入っています。
2.すきまにたっぷりと木工用ボンドを付けます。
3.四辺ぐるりと一周します。「たっぷりと」というのが、いつもの修理と違う点です。
4.というのは、隙間の中にもボンドを入れたいからです。紙を使って、ボンドを隙間の中に押し込みます。
5.今回の締めは、いつものクランプではなく、ハタガネを使います。一度ギュ〜ッと締め付けます。
6.余分なボンドが溢れ出してきます。
7.ここで一度、ハタガネを外して、はみ出したボンドを濡れたティッシュなどで、きれいに拭き取ります。
8.いよいよハタガネによる本締めです。ネフ社製品は精度が命なので、気を遣います。アングーラの場合は、L字の角度が90°であることが、何よりも大事なので、三角定規を当ててぴったりくっつくようにゴムで固定します。こうしないと、89.5°とか、90.5°とかになってしまうことが多いのです。いやホント。
9.一晩置いて完成です。

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