ドイツの旅99(佐々木)
1999/02/04●メッセ初日〜ポングラッツ、ヴェルナー〜ニュルンベルガー(ニュルンベルク泊)
今回のメッセで、相沢氏はポングラッツさんのブースで自分用の人形を選んで、その子をニキティキ経由で百町森に送ってもらうつもり。また、お客さんからも一人選んできて欲しいと頼まれている。昼食後、ポングラッツさんのブースへ行くと、西川さんがいたので、その辺の話をつける。木の板に囲まれたブースは他と違って落ちついた感じで、繊細な表情を見せる人形達もここではそれぞれの想いにふけっているようだ。私は人形達の写真を一通り取らせてもらい。ポングラッツさんと一緒の写真も撮ってもらう。柿田氏は、作成中のポングラッツ簡易カタログを見せて、話を聞いている。相沢氏は「また来よう」と言った。とりあえず候補は決めたようだ。
ヴェルナーさんのブースを教えてもらったので行ってみる。ChristianさんとWolfgangさんがいらっしゃる。柿田氏はおととしクリスチアンさんの工房を訪れたときの写真が掲載された「コプタ通信」を見せる。父ヴァルターさんの威厳のある人形がある。工房を訪れた後は、彼の作品が人目で見分けられるようになってしまった。ヴォルフガングさんの新作「ばく転宙返り男」も展示してある。彼はうれしそうに「こうやって遊ぶんだ」と見本を見せてくれた。彼はきっとこういうからくりや動きのあるおもちゃが心底好きなのだろう。西川さんにお願いして、クリスチアンさんの工房でろくろを回してくれた職人さん(ロレンツさん)の名前を聞いてもらう。クリスチアンさんは、彼のような職人はザイフェンにも4〜5人しかいないと説明してくれる。「作るところを見ることができて、本当に良かった」と西川さんから伝えてもらう(おそれ多いなぁ)。
シンス社ブースにて再び原さんと会う。シンス社は木製のゲームの専門メーカーで、にわとりルーレット・おとしあなブリッジなどの名作がある。原さんによると、幼稚園見学のアポがとれたとのこと。当日、原さんも一緒に行って下さる予定だが、万が一のため幼稚園の名前・場所をメモる。原さんのテンションがかなり高い(元気そうに見えたが、本当はかなり疲れていたらしい)。
その後は、主に1号館を中心に回る。SILKE社のブースでは、お目目がパッチリして星が光っているような(相沢氏曰く「ミッキーマウスの目をした」)ちょっとリアルな人形もあって、びっくり。なんかジルケらしくない。やっぱりジルケは点目の方が可愛い。キーナー社のブースでは、キーナーさんの新しいモビールを見つける。おみやげにチョコを頂く。キーナーさんの絵の袋に入っているのがまたうれしい。ブライトシュベルト社(Breitschwerdt Holzspielzeug)のブースにはご夫妻がいて、色々と丁寧に説明して下さる。モビールやハンペルマン、びっくり箱などおなじみの商品の他にも、大きな起き上がり小法師など知らないアイテムも並んでいる。どれも、丁寧な仕上げの美しいものばかりで、あらためてここのものづくりの確かさとデザインの素晴らしさを実感した。東欧の香りを感じさせるデザインはすべて夫人が担当しているらしいが、独自の世界を作り上げている。製作はご夫妻の他に家族の方々が手伝っているらしい。柿田氏が店の写真を見せるも、残念ながら丁度ここの商品が写っていない。一緒の写真を撮らせてもらう。夫妻の暖かく素朴な雰囲気と、素晴らしい物づくりの姿勢は今回のメッセの中でも、とりわけ印象的であった。
メッセが終わってから、場外でメッセ・チケット(4日分)を買う。事前にメッセのホームページで見つけたもので、ニュルンベルグ近郊のUバーン・Sバーン・DB・バスなどが無料になる。いちいちチケットを買う手間も省けて大変お得である。Uバーン(地下鉄のこと)でニュルンベルクの繁華街(Rorenz kirche)に向かう。途中で、普通のおもちゃ屋があったので、おもちゃのお金を買う。サックスとギターの2人組のストリートミュージシャンがいて、ジャズを演奏している。「How high the moon」をリクエストして演奏してもらう。中央広場(haupt markt)では、まだ開いている野菜兼果物の店があったので、明日以降のデザートとして、ネーブルを購入する。
ニュルンベルクと言えば、第2次世界大戦後にナチスの戦犯を裁いた「ニュルンベルク裁判」が有名であるが、この裁判がニュルンベルクで行われた理由は、ヒトラーがナチスを旗揚げしたのがニュルンベルク近郊であったためと言われている。また、ニュルンベルクは第二次世界大戦で町の90%近くが破壊された。ニュルンベルクの街並みの美しさは格別で、ドイツ人にとっては心のふるさとのようなものであったらしい。だからこそ、爆撃の対象にされたのだ。現在では、ほぼ復興され、中世の街並みがよみがえっている。
その後、夕食を取るために、柿田・相沢両氏が一押しのニュルンベルガー(ソーセージ)を出す店(セバルドゥス教会の隣のBRATWURSTHAUSLE)に向かう。店はすでに込んでおり、待ち状態。「45分だがよいか?」と聞かれ、よくわからないながらも、「よい、よい」と言って入れてもらう。やや個室のような部屋で落ち着ける。ニュルンベルガーとレバー団子入りスープとビールを頼む。ドイツでは普通待たされることが多いらしいが、今日は料理がどんどん出てくる。どうも、45分後に予約が入っているらしいことが、テーブルの上のカードで判明したので、どんどん食べる。レバー団子入りスープは、レバーと言うよりツミレ風であっさりしていて、大変美味。ニュルンベルガーも実にうまい。日本で食べているソーセージっていうのは、似て非なるものであることがよくわかる。45分後に食事を終えて店を出る。やけに忙しい夕食であった。喫茶店でお茶を飲んで帰る。さっきのミュージシャン達がまだ演奏していた。酔っぱらった私は、相沢氏と「おそうじオバちゃん」を唄いながら、Uバーンの駅構内を歩く。Rothenbachに着いたが、バスがしばらくないので、タクシーに乗って帰る。女性達も我々の民泊先の様子を見に来たので、白木ベッドを見てもらう。帰りは私が送る。