ドイツの旅99(佐々木)

1999/02/06●パフォーマンス2日目〜ニュルンベルクおもちゃ博物館〜養老院(ニュルンベルク泊)

今朝も同じメニューの朝食。Wittmannさんが「マスタードは好きか?」と尋ねたので、「もちろん」と答えると、マスタードの瓶を持ってきて下さる。ハムに塗ってみるが、これが全然辛くない。ぴりぴりした刺激を期待していたので、ちょっとびっくり。

Wittmannさんに送ってもらって、メッセに行くのも今日で3日目。相沢氏も初日を終えて、少しリラックスした感じ。今日の衣装は、黒いドレスシャツ。Wittmannさんは、飛行機のインストラクターをしていたらしい。かなり節度があって、知性がある人だなと思っていたので、一同納得する。我々の生活に干渉してこないし、必要なサービスはきちっと提供してくれる。まさに理想的なホストだ。奥さんは、スーパーマーケットで働いているので、お会いできないのが残念。

朝一番で、カスパーさんのブースLiving Colorsへ行く。布施知子さんのユニット折り紙をベースにしたようなおもちゃや、色のマグネットをタイル状に貼るおもちゃ、鏡を使った美しいモザイクなど独創性あふれるものが並んでいる。ゾムツールなどのデザイン・サイエンス・トイ社のおもちゃも並んでいる。カスパーさんと2人の友人が協力しているみたいだ。小さな球が遠心力で一瞬にして大きくなるおもちゃはとりわけみんなの人気を集めた。他にも、息を吹き込んでジャイロを回す地球ゴマのようなコマや、顕微鏡など面白いものがあった。後日、相沢氏に聞いた話では、彼らが作っているのはパズルではなく、幾何学をベースにしたおもちゃで、その辺りの線引きがはっきりしていたとのこと。カプラ(KAPLA)社のブースでは、やはりというべきか、大きなデモンストレーション用のオブジェが作ってある。きれいな絵葉書が何種類かあったので、一通りもらってくる。お店でいろいろと使えそうだ。

10:00の相沢氏のパフォーマンスの後、11号館の絵本・ゲームを見る。相沢氏は別行動。シータ(THETA)なる面白いゲームを作っているところを発見する。デザイナーのマイケル(Michael Sohre)さんが説明して下さる。ボードの上に玉を乗せるバランスのゲームだが、仕上げが綺麗でルールも単純で面白い。フランスのコンテストで賞もとったことがあるらしい。おもちゃを売り込むことよりも、いいものをコツコツと作ることが好きなようだ。相沢氏も好きそうなので、明日また連れてくることにする。

原さんと会うためにシンス社のブースへ行く。アーケードのゲームはやはり面白い。カエルのゲームやら、ボート乗りゲームなど、どれもシンプルで大人も楽しむことが出来る。社長さんは女性の方で、うれしそうにわれわれと一緒にゲームで遊んでくれた。原さんが現れないので、伝言を残しておく。もしかすると疲れが出たのかもしれない。1号館の残り(バウアー、ミッキーなど)と2号館を見る。川島さんに言わせれば、「2号館のニはニセモノ館のニ」ということで、普段我々が扱っているニキティキの商品に似て非なるもののオンパレード。こうやって見てみると、あたらめてニキティキの西川さんが選んでくるものの確かさがはっきりとわかる。それと同時に、それを見抜く西川さんの眼力に脱帽する。相沢氏は「一度、メッセで西川さんのカバン持ちをしたい」と言っていた。お昼は、3号館の中のレストランで、露木さんが頼んだ水(ミネラルウォーターのガス抜きを頼んだつもりだったが)が、ものすごくまずく、何というか温泉水のような、お風呂の残り湯のような味(どんな味だ?)。

14:00のパフォーマンスの後、アメリカのジャーナリストの方が興味を持って下さって、色々とお話しする。その後、早めにメッセ会場を後にして、ニュルンベルクの街へ行く。柿田氏は体調を崩したらしく、宿へ戻るとのこと。月曜の朝に乗る予定のDBの時刻を調べてくれるそうだけど、大丈夫かな?我々は、ニュルンベルクおもちゃ博物館(Spielzeugmuseum)へ。むかしからのおもちゃが展示されている。ザイフェンで見たノアの箱船をモチーフにしたおもちゃや、ビンビンボックス、ばく転宙返り男のオリジナル、アンカー積木(積み石?)、木の積木の原型などの他にも、本物そっくりに作ってあるドールハウスやままごと、初期のケテクルーゼなどなど興味深いものがたくさん並んでいる。ブリキのおもちゃのところには、メルクリンなどの鉄道模型もあり、ミニシアターでは「トーマス」をもっともっとグレードアップしたような、凝ったビデオ「Traum in 1:64」を流していた。あまりにすごいので、おみやげに買ってしまう。メルクリンの「Metal」シリーズの原型も飾ってある。ブリオメックの金属版という感じだが、鉄の持つメカニカルな感じがなかなか良い。

博物館のあと街を見て歩くが、残念ながら土曜日なので、ほとんどの店は午後は休み(ドイツには閉店法というのがある)。その代わり、閉店していてもウインドウに明かりが点いていて、綺麗にディスプレイされた商品を見ることができる店が多い。高橋さんにおすすめのおもちゃ屋さんの場所を教えてもらった。その後、喫茶店で、アイスやショコラを頼んでひと休みする。今日の夕食は養老院というお店(Heilig Geist Spital: ペグニッツ川をまたいで中州に渡って建てられている旧救済院の建物の1階にある郷土料理レストラン)で7時に樋口さんたちと待ち合わせになっているが、なんとなく「疲れているので、今夜は早めに切り上げよう」ということで、6時過ぎには店に行く。すでに満席または予約で一杯の状況。「8時までの席で良ければご用意できますが」とのことなので、ありがたく入れてもらう。内部の空間がものすごく広く、とても古い建物とは思えない。コートかけやついたてなど、ひとつひとつが古くて歴史を感じさせる店である。相沢氏、飽きもせずニュルンベルガーを頼む。我々が着席してからも、どんどんお客さんが来て、入れずに帰る人が続出していた。早めに来て良かった。約束の7時ごろ樋口さんと奈保美さんが到着。奈保美さんは、わざわざパンをおみやげに持ってきてくれた(カッセルのパン屋さんの挽きたての粉を使って焼いた重量感のあるパン。すごくおいしかった!)。ありがたい。でも、席がいっぱいなので、樋口さんたちは別席へ。しばらく食べて飲んでからお二人にごあいさつをして帰る。

今夜はDBで帰ることにする。Uバーンで中央駅まで行くと、次の電車まで30分くらいあったので、駅構内の本屋で時間をつぶす。相沢氏はSFっぽい画集(空山基と永井豪の影響を受けているとは相沢氏の弁)、川島さんはパッチワークの雑誌、私はデザイン関係の雑誌を買う。そうこうしているうちにすぐに電車の時間になる。ここからは駅3つしかない。あっという間に着くが、私はそのわずかな時間に爆睡していたらしい(記憶が全くない)。「さっきーはガンツ寝てたよ」だって。Reichelsdorf駅に着くと、一面雪。雪の降りしきる中を4人で歩いて帰る。柿田氏は眠っているようなので、起こさないようにして、我々も静かに眠る。

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