プーおじさんのおもちゃの旅2003
1 ピエール・クラーセンさんのアトリエを訪ねる
2003年9月9日、成田からドイツのフランクフルトに着き、ドイツ国鉄DBの新幹線ICEに乗りフランス国境に近い町フライブルクに向かう。「黒い森」の南西にあるこの町は環境保護に取り組む最先端の町としても有名だ。町なかには小川が流れ、トラム(路面電車)が走る。
フライブルクの街はトラムと自転車が似合う
郊外から来る人は車を駐車場に置き、トラムに乗り換えて町に入る「パーク&ライド」を実施している。駅にあるホテルのインフォメーションは、ボタンを押すだけで直通電話につながり部屋が空いているかどうか訊けた。これも旅をする者にはいいシステムだ。上品なホテルが見つかった。
おもちゃ屋の店先に飾ってあったプッキーの三輪車
人形の着替えがこんなに!
さて、次の日またDBでさらに南に向かい、スイスのバーゼルに隣接した駅から乗り換え、2時間足らずでショップハイムという小さな町に着いた。ここにあの「キュービクス」や「セラ」をデザインしたピエール・クラーセンさんが住んでいるのだ。クラーセンさんは駅まで笑顔で迎えに来てくれた。クラーセンさんの家は駅から歩いて5分位の所にあった。
そして、なななんと、日本製の鉄瓶で沸かしてくれた緑茶で私たちをもてなしてくれた。ついリラックスしてしまう私、これで畳でもあれば寝っ転がってしまったであろう。
日本製の鉄瓶と茶碗で緑茶をいただきました。
クラーセンさんはガラスの器を集めるのが趣味で、そのコレクションの数は三千以上だそうである。
ガラスの器のコレクション
内側がツルツルしていて、外側に模様が浮き彫りの様に出っ張っている器を手に持つと、クラーセンさんは楽しそうにその器をなでながら哲学を語る。その表情がなんとも穏やかだ。彼の口からはいろいろな思想家の名前が飛び出したが、中でも、鈴木大拙には相当入れ込んでいて、「禅」に、そして日本に、思いを寄せている事が判明した。十月にはまた日本にみえるそうだ。
石のコレクション
団扇を使った照明
私は習い覚えたばかりの折り紙「一分ローズ」(川崎敏和作『折り紙夢WORLD花と動物編』より 1,500円)をクラーセンさんに作って差し上げると、偶然にも日本人から折り紙のバラをもらうのは3つめ(その内の一つは相沢康夫のマジックローズキューブ)とのことで、たいそう感激してくれた。
限定版キュービクスで遊ぶクラーセンさん
ちなみにクラーセンさんのお父さんはバラを趣味にしていた人だそうで、そこにも因縁を感じてしまうのだそうだ。
折り紙のバラ3つ(手前が私、その向こうが相沢)
近くの銀行にある「プレヌス」の巨大オブジェ
裏はこうなっています(別の部屋です)