トイメーカーを訪ねる旅2004 その1

デュシマ社

デュシマ社はドイツの木製玩具メーカーの中でも老舗中の老舗と言える会社です。

大きな工場

創設は1968年。従業員数約100人。製品としては「フレーベル積み木」「園用積み木基本セット」をはじめ「小さな大工さん」「デュシマ寄木」「Dハンマートーイ」など定番製品が多くあります。又、主に幼稚園、保育園向きのプラスチック製品も有名です。「プリズモ」や「リモーザ」、「スナップ」「ジョイント」等、代表的な製品を挙げるだけでも枚挙にいとまがありません。

工場内に設けられたショールーム

私たちを迎えてくれたのは、2代目社長ルル・シフラーさん他、スタッフの皆さん。ルルさんはいつ会っても陽気でバイタリティー溢れる方です。私も過去2度ほど日本でお会いした事があり、また子会社のジーナ社でデザインを提供していることもあり、「アイザワサン!」と笑顔で迎えて下さいました。

「おもちゃの王様」をルルさんに見せる相沢

入ってすぐのところに、木製の「デュシマジョイント」で作られた「ウルムの大聖堂」がありました。(後で本物の大聖堂に行く機会があって感動的でしたが。)


木製デュシマジョイントで作られたウルムの大聖堂


後日、訪れたウルムの大聖堂

デュシマ社のマークにもなっている「ジョイント」が実は昔木製だったとは聞いていましたが、大きさまで同じだったとはビックリです。とってもとっても小さいのです。その昔、多分今ほど木工機械が発達していなかった頃、こんなに細かな細工の木製玩具があったんだ・・・と、改めてドイツの物作り魂を感じました。

工場以外のスタッフルームでは、受注、製作、発送等、当然の事ながら全てコンピュータで管理されていました。もちろん木屑一つなく、ごく普通の清潔で快適な今風のオフィスって感じでしょうか。

工場の製作現場は、昼休みだった関係で残念ながら実際に働く人の姿は見ることができませんでしたが、機械だけは見学ができました(機械といっても町工場の大工機械とかではなく、どれもハンパでなくドデカイものばかりですが…)。

ここでは、主に幼稚園、保育園向きの大型家具を作っています。

スタッキングされた椅子

私たちに馴染みのある「フレーベル積み木」や「小さな大工さん」といった家庭向きの木製玩具の製作は、全てジーナ社に移っていました。

椅子の足を固定しギシギシ押したり引いたりしている機械がありました。


椅子の試験機

相当な回数これを繰り返し、不具合が見つかったら、その椅子のロット全てを(200個以上)ボツにするのだそうです。キビシ〜!

さてデュシマ社は、木製玩具メーカーであるとともにおもちゃの総合商社でもあります。つまり自社製のみならず、ヨーロッパ全域の木製玩具メーカーの問屋なのです。出荷待ちの商品の棚にはオストハイマー社、ニック社、ラベンスバーガー社等の商品が並んでいました。ハバ社やブリオ社まであります。


左上の数字は棚番号。それぞれの場所に決められた商品が並んでいる。ちなみにこのあたりはハバ社のアイテムが並んでいた。


ロゴ入りのトラックで各地に配送される

ルルさんが昼食を用意してくださり、それをおいしく頂いた後、その日の2番目の目的地オストハイマー社に向かいました。


ポテトサラダ(フレンチドレッシングとスープであえるのが南ドイツ流)、マウルタッシェ(ドイツ風餃子)、チシャのサラダなどなど

(相沢)
訪問日/2004年10月4日
所在地/ドイツ・ショルンドルフ

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