絵や図面を描く力を育てる平面構成遊び

「うちの子、絵が描けないんですよ。」と心配する親御さんが百町森に見えることがあります。話を伺ってみると、字を書くことにばかり気が向いてしまった場合が一つ。その場合は遊びの大切さをもう一度考えて頂く必要があるような気がします。絵を描くとか平面構成遊びをする、絵本を読んであげるといった豊かな遊びの延長に文字を書くという行為があるような気がします。

もう一つは、その方も絵が苦手という場合です。子どもが絵を描くのが好きになるためには、小さな頃から、周りの大人も楽しそうに絵を描いて見せることが重要です。せめて色や形で遊ぶ楽しさを教えるというのはどうでしょう。

私の一押しはここで取り上げたような平面構成遊びを一緒にしてあげることです。平面構成遊びは色彩感覚や幾何学的空間認知力を育てます。そして、作品?を完成させることが絵を描く行為より易しい!子どもはすき間を埋めていくような感覚で、どんどん形が出来ていくこうした遊びを想像以上に楽しんでくれます。

リモーザ

柔らかい穴のあいた樹脂のプレートの上に、5色のボタン型のパーツを押さえるようにはめていく遊びですが、プチプチとはまっていく感触が心地よく、まだ構成する力のない子どもはめるだけでも飽きずに取り組みます。最初色をアトランダムに配置するだけだった子が、そのうちに同じ色を並べるようになり、構成力が付いてくると抽象的な模様を作ったり、具体的な絵を描くように構成したりします。作ったものが途中で壊れてしまう心配もなく安定した遊びです。パーツをプレートからはずすのも比較的簡単です。

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プリズモ

プリズモはプラスチックでできた正三角形のパーツをやはりプラスチックでできた六角形のボードの中に並べていきます。具象よりも抽象的な模様を作り上げるのに向いている平面構成遊びのおもちゃです。

正三角形のパーツは大小2種類、六角形のボードも大小2種類あり、すべてを混ぜて遊ぶこともできます。パーツは透けないものと透明のものがあります。金や銀のパーツもあります。また、ボードも白で透けないものと透明のものがあります。

最近ではパーツ、ボードそれぞれ透明のものを使い、スタンドに┃光にかざすディスプレイをするのが人気です。

ボード小にはコマ遊びに発展させることができるものもあります。

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マグネット

初めて出会う平面構成遊びはなんといってもこれ!マグネット付の色板を金属のボードに並べていくシンプルな遊びですが奥が深い。マグネットで貼り付いてくれるので、手先がまだ器用でない子も安定して遊べます。

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モザイク遊び

円、三角、四角といった幾何学的な形のピースを並べて、絵を描くような感じで好きなものを描いていきます。

また、ピースに描かれた模様を使って、幾何学的な模様を作るタイプ(キーナーモザイクなど)もあります。

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アイロンビーズ

子どもたちが大好きな遊びのひとつです。

樹脂のビーズを手で摘まみ、ボードのピン状に尖っているところがビーズの穴にくるように並べます。できた作品にトレーシングペーパー(料理に使う紙でもよい)を被せ、大人がアイロン(中温程度、だんだんコツを掴むと思います。)をかけて、ビーズが隣同士溶けてくっついたら完成。ペーパーをはがし、ボードからそっととりましょう。ほとんどの子は、最初はアトランダムで並べていくでしょうが、だんだん絵や模様を描くように構成して作品を完成するでしょう。

〈選び方のポイント〉

ボード:早く完成ができるSから始めます。ただし、ボード全部をビーズで埋める必要はなく、途中で止めても良いわけです。透明なボードは、ボードの下に見本の下絵を敷いて、上からビーズをのせていく方法もできることです。

ビーズ:基本色から始めることがオススメですが、ラメ、蛍光、パステルも人気で、やる気が起こるものからでいいでしょう。

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ひも通し

「ひも通し」というと、普通はビーズにひもを通す遊びを思い浮かべますよね。でも、この「平面構成遊び」の中での「ひも通し」とは、穴がたくさんあいたボードにひもを通して模様を描く遊びになります。

これは、ぬいとりの遊びです。曲線を表現するのに工夫がいるので、じっくり取り組めます。仕組みがわかってくると、子どもたちはオリジナルのモチーフを作るようになり、大人顔負けの作品ができ上がります。だんだん上達していくのが、ひも通し遊びの面白いところです。

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LENAモザイクステッキ

キノコ型の色のついた樹脂のステッキ(スティック)を同じく樹脂の白いボードの穴に差し込んで絵や模様を作っていく平面構成のおもちゃです。

最初はステッキをはめていくだけでも楽しいおもちゃです。構成力が付いてきた子は一本一本絵を描くように色や形の構図を考えて作ります。また、自分の手で差し込んでいくので、作品を作った後の感覚はものづくりを完成した時のような達成感を味わえます。

赤・青・黄・緑―4色の基本色のものは大中小3種類の太さがあります。透明のステッキも4色あり、こちらは大中2種類の太さがあります。ボードは大小2種類あります。構成遊びに慣れていない子や自閉的傾向がある子のためには ボードは子ども用、大人用どちらも用意しておくことがオススメです。大人用の方にステキな絵模様を作っておくと、子どもはそれに刺激され創作意欲をかき立てられるからです。

選ぶ時の目安

ステッキ:太さは最初は大と中だけでもいいと思います。慣れたら小も混ぜてあげましょう。ステッキの色は基本の色と透明、どちらも混ぜて子どものイメージを膨らませてあげましょう。

ボード:小の方が早く完成できるので最初は小から始めましょう。大人も見本になるような作品を作るとよいので、子どもの数プラス1枚用意しましょう。

迷った時は「モザイクステッキトライアル」でまずは試してみるのも良いでしょう。

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ホルツステッキ

ステッキ、ボード共に木製です。木ならではの感触や仕上がりの美しさは子どもの感性を磨いていくことでしょう。

中心があり遊びやすい!

木ならではの感触や仕上がりの美しさ、中心が定まる事での絵や模様の作りやすさからこのホルツステッキが人気です。構成遊びが苦手という子には、発達障害の子の学習支援に携わる高橋智子さんの以下の話が参考になります。

「自閉傾向がある子は空間の操作が難しいことが多く自発的に遊べないことがあるので、大人用と子ども用2枚同じ物を用意し、まずは見本を見ながら親子で横並びで同じものを作るか、親が見本を作って子どもに見せるかして、遊びのハードルを下げてやるといいです。(見せるだけでやりたい気持ちを内在させ、いつか遊ぶかもしれません。)

同じものを2枚置くのがオススメ

1人で遊ぶようになっても板が複数枚あれば、作ったものを飾るとか、2枚で1つの作品にするとか、線対称になる形を作ったりできるので、2枚買っても無駄にはなりません。

まずは四角い小さいのに、中心や四隅の穴に少し色をつけてやるだけで、空間理解の大きな手がかりになります。

大きい板の方は子どもがあれをやりたい!と要求してからの方がいいと思います。見通す力、細やかな操作を繰り返す動作性、間違えた時の忍耐など、大きな板に求められる力は大人の想像以上です。 高橋智子」

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アキシモ

積み重ねる計画性が必要

アキシモはプラスチックのパーツをフレームの一番上から落として下から絵を作り上げていく平面構成遊びです。 できたものは、立っているので他の平面構成遊びより立体感があります。 完成の絵を頭に描きながらパーツを下から順々に並べるようにしないといけませんから、他の平面構成遊びよりも少し難易度が高いといえます。 じっくり取り組まないと、途中のやり直しは大変。 ただ、その分挑戦し甲斐があるので、園などでは人気のおもちゃです。 遊びながら思考力や数の観念が自然に育ちます。

アキシモは、手と目の協応、手先の器用さといった運動機能に加えて、計画的なアプローチの促進が期待できます。

少し高度な平面構成

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マッチ箱のモザイク・平面構成

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