乾千恵さんの世界
2003年に「こどものとも」としてペーパーバックで出版された「月 人 石」が、ハードカバーになりました。初めて出会う「書の絵本」としてオススメ。乾千恵さんの書は、いのちを感じさせる力があふれています。自らのハンディキャップを乗り越える力が、そのまま表現されているのかもしれません。 この本は、書の本としてはもちろんですが、写真集としても詩集としてもすばらしい!さらに巻末に13の書がローマ字と19の言葉で書かれている。外国の友人へのプレゼントとしても喜ばれます。 (榛地裕子) 乾千恵さんに初めてお合いしたのは、95年の夏、袋井市の可睡斎というお寺で開かれた「野草塾」という集まりででした。会場となった畳敷きの広間の鴨居に「洞」「骨」「天」といった書が飾られていました。ふと見上げればいつでも、力強くてあたたかな書が、静かに見守ってくれているようで、とてもうれしく豊かな気持ちになりました。 97年の保育セッション in 井川では、書の展示と語りの場を持たせていただきました(もう一人のゲスト片山健さんと3人で並んで撮っていただいた写真は私の宝物です)。その後、本が2冊も出版されてうれしい限りです。子どもと一緒に見るなら「月 人 石」が、書の美しさと乾さんの思いに触れるなら「『風』といるひと・・・」がお薦めです。 (2005年3月 佐々木隆行) |
■乾千恵プロフィール
1970年大阪に生まれる。1988年から4年間、聴講生として京都精華大学に学ぶ。1990年銀座・画廊春秋で書展。以来各地で、図書館、お寺、学校、美術館、野外(森や畑)などを会場に、書展と語りの場が開かれてきた。エッセイや旅行記、絵本のためのお話などを執筆。大阪在住。 |
乾千恵の書の絵本
月 人 石
- 月 人 石/乾千恵・谷川俊太郎
- 900円+税(10%税込990円)
命が宿ったかのように躍動感のある書、研ぎ澄まされた詩、美しい写真が一体となった気...
- 書:
- 乾千恵
- 年齢:
- 4歳〜