ピープショー・シアター(のぞきからくり)
遠近法と覗き穴のレンズ効果を利用して、窓状にくりぬいた何枚かの絵を覗き穴から片目で(これポイント!)で見ると、思いがけない驚きがあります。浮遊感のある不思議な奥行きや、立体的な臨場感が楽しめることから、物語の場面の書き割り舞台の小さな劇場をのぞく仕掛け絵本のようでもあり、また、ゆらしたり、ジャバラを伸び縮みさせると、動いて見えて楽しめます。
ピープショーは17世紀のヨーロッパで考案され、視覚玩具として普及しましたが20世紀の後半にはテレビや映像におされて消えてしまいます。けれども、その素朴なしくみは、コンピュータやテレビゲームに慣れたいまかえって不思議なおもしろさがあるようで、また、日本の昔の浮世絵のなかで子供のための<おもちゃ絵>にも、切り抜いて貼り合わせて作る<組上げ絵>があったり、見世物の<のぞきからくり>がありましたが、それらの面白さにも学びながら、現代的な工夫と考案をしながら、世界で今ただ一人(?)あたらしくオリジナルなピープショーをつくっています。
(作者/吉田稔美 よしだとしみ)
- オフセット4C+ニス引き、ジャバラ折り 覗き穴あき
- 紙箱/厚紙製、2Cイラスト入り、ニス引き
- 付録:取り扱い、楽しみ方カード 1枚入り