岩波少年文庫619

ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし

  • 岩波少年文庫619 ぬけ穴の首
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商品の説明

井原西鶴。教科書で習いましたね。元禄時代の作家です。この本は「西鶴から種をもらって西鶴から離れ」たアレンジされた作品です。

表題の「ぬけ穴の首」は、兄の仇討ちのために息子と宿敵の屋敷に忍び込んだ男が、宿敵の用心棒に追われ、塀の穴から逃げようとするが足をつかまれてしまい、息子に首を斬らせる。息子が父の生首を葬ろうと穴を掘ると、父の兄だというしゃれこうべが出てきて宿敵と自分たち一族との因縁を語り、仇討はやめて供養をするように頼むが…という話。

他にも、駆け落ちした若夫婦の赤ん坊を世話していたペットの猿が、誤ってその子どもを死なせてしまって自害する話や、陽気で気の利く男が新しい商売を始めて成功するが、欲に目がくらんで不正を働き、ひどい死に方をする話など、どちらかといえば不条理や悲劇が多いですが、どの話にも有無を言わさず引き込むような力があります。これはきっと原作の持っていた力でしょう。これを活かした上に作者が上手に味付けしているので、一風変わった味わいに仕上がっています。

作者自身によるあとがきを読むと、創作の意図するところも納得です。さらに、あとがきの後にある作家の町田康氏による「古典のおもしろみ」という文章にも深くうなずけました。そのうち原作も読んでみようと思いました!

(コプタ通信2019年7月号より つきちゃんこと築山真希子)

商品詳細

作: 廣末 保
さし絵・カバー絵: 山崎 英介
寸法: 17×12cm
内容: 208ページ
製作: 岩波書店 (日本)
初版発行日: 2019年03月15日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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