ベルリン三部作 岩波少年文庫 622
ベルリン1919 赤い水兵(下)
- ベルリン1919(下)
- 1,200円+税(10%税込1,320円)
054-251-8700
商品の説明
ベルリンの中で最も貧しいアッカー通りでは、ひとつのベッドを夜勤の人と日勤の人が分け合ったり、戦地から戻った人にその日の夕飯をまるごとゆずったりして、身を寄せ合って暮らしています。
この通りの住人で、13歳の少年ヘレの家に、戦争で片腕をなくした父が帰ってきます。父はまもなく、社会主義を掲げ、革命を訴えるスパルタクス団の一員になります。ヘレも知り合いに頼まれて、秘密の文書を届ける任務を請け負います。
当時、人々は戦争と貧困にうんざりし、工場ではストライキが起きていました。また、一部の水平たちが起こしたストライキが飛び火し、反乱の気運が高まっていました。やがてこのうねりは大きくなり、ついに皇帝を退位させることに成功します。しかし、対立する政治家それぞれの思惑や、スパルタクス団の主張などが入り乱れ、内戦へと発展していきます…。
歴史の教科書で見かけた「11月革命」。本作を読むまで知識は皆無でしたが、読み終えた今、アッカー通りの人々のような当時の生身のドイツの人々に思いを馳せ、また現代に生きる自分たちを省みて、思いを巡らせています。
題名から想像される重みに、ずっと手に取れずにきた作品ですが、いざ読み始めてみると、あたたかみのある正統派の子どもの本でした。アパートの老婆や、父の旧友のオルガン弾き、ヘレが友達になる水平たちなど、登場人物も魅力的。歴史にひるまず手に取れる高学年くらいから、意味を噛みしめられる大人まで、今こそ、広く手に取って頂きたいです。心に響くあとがきも必読です。
(コプタ通信2020年9月号より つきちゃんこと築山真希子)
商品詳細
作: | クラウス・コルドン |
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訳: | 酒寄 進一 |
カバー画: | 西村ツチカ |
寸法: | 17×12cm |
内容: | 398ページ |
製作: | 岩波書店 (日本) |
初版発行日: | 2020年02月14日 |
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