目で見ることばで話をさせて
- 目で見ることばで話をさせて/アンクレアレゾット
- 2,100円+税(10%税込2,310円)
054-251-8700
商品の説明
19世紀初頭のアメリカ、ボストン南西部に浮かぶ小さな島が舞台。11歳の少女メアリーと彼女の父は耳が聞こえません。実はメアリーの住む島には聞こえない人が多いので、皆手話が使え、聞こえない人を無視して会話を進めるのは失礼だと思われています。メアリーの親友は耳が聞こえるので、他人の会話をこっそり聞く時には聞いたそばから手話にして教えてくれるし、島の人は遠くの人と望遠鏡を交互にのぞいて手話で連絡を取ることもできます。
そんな島に、アメリカ本土から若い科学者がやってきます。アメリカ本土では六千人に一人のろうあ者が、メアリーの住む町には四人に一人。その理由や耳が聞こえなくなる原因を探りたい、というのですが、やってきた科学者は耳の聞こえない人たちをあからさまに見下し、ぶしつけな質問を投げかけます。そして、ある日メアリーを「生きた標本」としてアメリカ本土へ誘拐して連れ去ります。
本土で知性のない動物のような扱い、鉄格子のはまった部屋への監禁、身体検査…。過酷な環境の中でもメアリーは島に戻るためにできる限りのことをします。さあ、メアリーは無事に島へ戻れるでしょうか!?
という本筋のほかにも馬車の事故で兄を亡くしたメアリーと母親間のわだかまり、黒人やネイティブアメリカン、職業による差別など、色々な要素がとても上手に盛り込んであって読み応えたっぷり、読後も大満足です。
巻末の解説によると、この島は実在で物語には史実も取り入れて仕立ててあるそうです。楽しみながら色々なことも考えさせてくれる、正統派の児童文学。ご堪能下さい。
(コプタ通信2022年11月号より つきちゃんこと築山真希子)
わたしは物語を作るのが好き。11歳の少女メアリーは、島のだれとでも手話で話し、いきいきと暮らしています。一方馬車の事故で死んだ兄さんのことが頭を離れません。ある日傲慢な科学者に誘拐され、ことばと自由を奪われて……。手話やろう文化への扉を開く、マーサズ・ヴィンヤード島を舞台にした歴史フィクション。
(出版社サイトより)
商品詳細
作: | アン・クレア・レゾット |
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訳: | 横山 和江 |
内容: | 310ページ |
製作: | 岩波書店 (日本) |
初版発行日: | 2022年04月12日 |
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