タフィー

  • タフィー/サラクロッサン・三辺律子
  • 2,100円+税(10%税込2,310円)
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商品の説明

16歳のアリソンは父の暴力から逃げるために、父親の元婚約者ケリー・アンを頼って、ロンドンからバスでコーンウォールへ向かいました。けれども彼女は引っ越していて連絡がとれません。行く当てのないアリソンは、彼女を昔の友だち「タフィー」と勘違いした、認知症の老女マーラの家に転がり込み、そこに住み着きます。

マーラは彼女のことを忘れて「出てけ!」とパニックを起こしたり、自分の姿を鏡で見ても認識できず「ママを呼んで」と怯えたり…。マーラの家には息子やヘルパーの女性も出入りするので身を隠してやり過ごすこともあります。そんなマーラとの危うい暮らしと、父親の支配に耐えて過ごした日々の回想が、代わるがわる詩形式で綴られる本作。

手に取ってまず驚いたのは、横書きだったことと、詩形式なので改行が多く、一ページの文字数がとても少ないこと。一時期流行ったケータイ小説のようだな、と思ったのですが、見開き一ページか、長くても数ページごとに場面や心象風景が変わっていくこの形式と、綱渡りのようなアリソンの生活や心の揺らぎ、取り乱しやすいマーラの姿が絶妙にマッチしていて、ぐいぐい引き込まれ、ほぼ一気読みでした。

読んでいると、アリソンの父親への思いの複雑さや絶望感、マーラの痛々しい混乱ぶりなどが胸に迫り、切なくなります。けれども、時折マーラの見せる茶目っ気や、アリソンの思慮深さ(アリソンは勉強もできます!)、希望のある結末にはほっとしましたし、読後は深い満足感に浸りました。

前述したとおり、文字数が少ないのですぐ読めますが、細部を味わうために何度も読み返したくなる極上の作品。お楽しみください。

(コプタ通信2022年4月号より つきちゃんこと築山真希子)

父さんの暴力から逃れ、家を飛びだしたアリソン。古い家の納屋に身を隠すが、家主のマーラという老女に見つかってしまう。認知症のマーラは、彼女を昔の友人・タフィーと間違えているようで――。孤独を抱えたふたりが出会い、思いがけない同居生活がはじまる。カーネギー賞作家が詩でつむぐ、友情と再生の物語。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: サラ・クロッサン
訳: 三辺 律子
寸法: 19×13cm
内容: 412ページ
製作: 岩波書店 (日本)
初版発行日: 2021年10月28日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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