住所、不定

  • 住所、不定/スーザンニールセン・長友恵子
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商品の説明

12歳の少年フィーリックスは、幼い頃は母と祖母と3人で祖母の家で暮らしていました。しかし祖母の急死後、母は遺産を元手にマンションを購入。ところがマンションは不良物件で、買った時より安く手放してアパートへ。

同じ頃母は失業しウェイトレスになりますが長続きしません。そこを追い出されると地下のアパートへ移ります。母は会社事務の仕事に就きますが、またまたリストラ。最後にはそのアパートも追い出され、母の恋人のものだったキャンピングカーで暮らし始めます。

同じ頃フィーリックスは新年度を迎え、母は知り合いに住所を借りて入学手続きをします。新しい学校では幼なじみの親友ディランと再会。変わり者の少女ウィニーとも親しくなりますが、2人に自分の境遇は話せません。そんな折フィーリックスは大好きなクイズ番組の子ども向け企画に応募し、出場が決まります。賞金があれば新しい家を借りられるはず…。

美人で教養もあるけれどプライドが高く世の中との折り合いの悪い母は、自分と不倫関係にあった男性を脅して住所を借りたり、万引きを繰り返したりするし、嘘もつきます。自分を正当化するための妙な屁理屈も繰り出します。フィーリックスは居心地の悪さを感じながらも止めることができません。

彼の目線で語られる二人の生活は読んでいて苦しくなるような綱渡り状態です。けれどもフィーリックスは人を信じる力をもっていて、周りには彼を支えてくれる人たちがいます。そのおかげで物事はいい方に動き始め、最後まで読むとちょっと元気がもらえます。「見えない貧困」と呼ぶのでしょうか。こんな状況がきっとあるだろうな、と思わせられる描き方です。

(コプタ通信2024年6月号より つきちゃんこと築山真希子)

4か月前、ぼくとママはキャンピングカーで暮らしはじめた。アパートを追い出されホームレスになったんだ。ところが一時的なはずの車上生活は長引き、しだいに身も心も追いつめられていく。親友に噓をつくのも、もう限界! TV番組に出て賞金を獲得すれば何もかも解決する――ぼくはそう信じた。少年の涙と希望の物語。

(出版社サイトより)

商品詳細

作: スーザン・ニールセン
訳: 長友 恵子
内容: 318ページ
製作: 岩波書店 (日本)
初版発行日: 2022年06月24日

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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