一少女は嵐のなかを生きた
ひめゆりの沖縄戦
- ひめゆりの沖縄戦―少女は嵐のなかを生
- 840円+税(10%税込924円)
054-251-8700
商品の説明
1945年3月23日、師範学校の女子学生だった伊波さんは、南風原(はえばる)の陸軍病院へ学徒動員として従軍することになりました。病院と言っても、「壕」と呼ばれる地面に水平に掘った穴で、衛生状態も悪く、医療器具も少ない中での看護です。また、「飯上げ」と呼ばれる当番はもっとも危険な仕事で、艦砲射撃の炸裂する中、民家に近い炊事場におにぎりを取りに行くのです。戦況の悪化とともに患者が増え、学友の中にも戦死者が出てきます。
5月26日、負傷者とともに南風原を脱出し、空襲や艦砲射撃の間をぬって、南部へ撤退することになります。避難した壕の上に敵兵が陣取る「馬乗り攻撃」を受けながらも、闇にまぎれて決死の思いで脱出します。そして、最南端の荒崎海岸へと追われます。6月21日、海岸の崖の穴に隠れていたところに、攻撃を受けて重傷を負った直後、米兵に保護されます。
著者の伊波さんは、ご自身の体験を圧倒的な記憶力と筆力で、詳細に描いています。この本で、読者は沖縄戦を疑似体験し、その悲惨を肌で感じることができると思います。また、体験記はどうしてもミクロ的な視点になってしまうのですが、村上有慶さんのコラムが、沖縄戦をマクロ的な視点で解説しているので、併せて読むことで全体像が浮かび上がってくる仕掛けになっています。
(スタッフささき)
半世紀前、一〇代の少女たちが戦争の中を生きた。「飯上げ」、壕掘り、傷病兵の看護。危険な激務は彼女たちを、死の危険にさらした。壕での生活にはじまり、南部への逃避行を経て、ついに最南端まで追いつめられていく。ひめゆり学徒隊の一少女の目を通して、沖縄戦の実相が浮き上がる。戦跡ガイドつき。 (出版社サイトより)
目次
- ひめゆり平和祈念資料館で
- 沖縄戦前夜
- 1941年12月8日
- 師範学校女子部で
- 緊迫する戦局
- 10・10空襲
- 引きのばされた卒業式
- 南風原陸軍病院で
- 兵舎での卒業式
- 生徒壕で
- 第二外科に配属される
- 一八壕で
- 金井大尉
- 艦砲射撃を受ける
- 負傷者・死者がつぎつぎと
- 喜屋武半島で
- 南風原からの脱出
- 南部撤退
- 山城壕から糸洲壕へ
- 中村少尉の死
- 艦砲射撃で死者が
- 馬乗り攻撃を受ける
- 伊原第一外科壕へ
- 死線をさまよう
- 解散
- アダンの林で
- 自決か生か
- 国頭へ
- 負傷
- ゼロからの出発
- 米軍病院で聞いた敗戦
- 母との再会
- 学校再開
- 戦場の夢
- 就職
- 平和憲法とひめゆりの心
- コラム 村上有慶
- いまなぜ「ひめゆり」証言か
- 沖縄戦の経過
- なぜひめゆり学徒隊は戦場へ行ったのか
- 沖縄戦の特徴
- ひめゆりの悲劇はなぜ起こったのか
- 沖縄戦とは何だったのか
- 住民戦没者はなぜ多いか
- 沖縄戦からまなぶもの
- 南部戦跡観光
- 「ひめゆり平和祈念資料館」建設
- 「ひめゆり」が語りかけるもの
商品詳細
年齢: | 中学生〜 |
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著: | 伊波園子 |
イラスト: | 名嘉睦稔 |
コラム: | 村上有慶 |
寸法: | 17×10.5cm |
内容: | 201p |
製作: | 岩波書店 (日本) |
初版発行日: | 1992年06月19日 |
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