波うちぎわのシアン

  • 波うちぎわのシアン/斉藤倫・まめふく
  • 1,800円+税(10%税込1,980円)
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商品の説明

大陸の東の海に浮かぶたくさんの島々の中にラーラという小さな島があります。島でたった一人の医者のフジ先生は診療所と併せて保育園兼孤児院も開いています。保育園は子どもの世話がとても上手な十代の女の子ネイと、フジ先生の大学時代の友人で大金持ちのマゼンタ家の長女リネンさんの受け持ちです。ここで暮らしている幼い男の子シアンには不思議な力があります。拾われたときから握りしめられたままの左手を誰かの耳に当てると、その人はシアンと共鳴し、お腹の中にいた時のことを思い出すのです。

最初はまわりの子どもの記憶を甦らせたことで、泣き止まない原因がわかったり、亡くなった父親が家族に遺したお金の所在があきらかになったりといったささやかな奇跡が起きていましたが、旅の一座の舞台でその力を披露したことがきっかけで、シアンは大陸へさらわれてしまいます。そこにはなんと王家の陰謀が絡んでいて…。シアンの生い立ちとは!?

実はこの作者の作品を紹介するのは四回目です。さすがに質が落ちたら紹介はやめよう…などと斜に構えて読み始めました。最初はちょっと冗長では?と批判的だったのですが、最後まで読んで、う〜む。独特な雰囲気のことばのえらび方と、何気ないようですべてがつながる鮮やかなストーリー展開。やっぱりやられました。フジ先生とリネンさんがシアンを取り返すために大陸へ乗り込む場面など痛快です。ぜひ楽しんでお読みください。

余談ですが、私も娘が幼い頃に胎内記憶を話してもらえました。あのときの何とも言えない不思議な雰囲気と物語の描写は似ている気がして、それも味わい深かったです。

(コプタ通信2023年4月号より つきちゃんこと築山真希子)

わたしは、カモメ。そう聞くと、みんなわらう。なんたって、わたしはねこだから。港町・ラーラにひとつしかない病院ののきしたでひろわれたわたしは、フジ診療所の飼いねこになった。これから話すのは、わたしがそこで、見聞きしたこと。

ある夜、はげしく噴きあがる炎につつまれて、一艘の船が港にたどりついた。そこで助けだされた赤ん坊は、いずれ、シアン、と呼ばれることになる。左のにぎりこぶしが、おなじ名前の巻貝のかたちに、そっくりだったから。にぎりしめられたまま、けっしてひらくことのないその左手には、ふしぎな力があったんだ。

(出版社サイトより)

商品詳細

著: 斉藤倫
画: まめふく
寸法: 20×14cm
内容: 319ページ
製作: 偕成社 (日本)
初版発行日: 2018年03月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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