商品の説明

「リカちゃん」が欲しいと頼んだようこの所に、おばあちゃんから送られてきたのは黒髪の市松人形の「りかさん」でした。そのお人形には「説明書」が付いていて、箱の底には着替えが何組かとさらにその下には専用の小さな食器まで収められていました。「説明書」のおばあちゃんの手紙には「…りかはとてもいいお人形です。それはりかの今までの持ち主たちが、りかを慈しんできたからです。ようこちゃんにもりかを幸せにしてあげる責任があります。」と書いてあります。人形を幸せにするって、どういうことだろう？とにかく説明書通りにお世話を始めてみると、「りかさん」は特別なお人形だということがわかります。その証拠にようことりかさんはお話ができます。さらに、りかさんを通してようこは他の人形とも話す事ができます。この物語は、今の子どもが失くしかけている心の世界や人との結びつき、自分のルーツ、ご先祖様の存在、さらに日々の営みを重ねる大切さなどが詰まったファンタジーです。幻想的だが、決して甘いところがない梨木香歩の世界そのものです。このお話とリンクしている「からくりからくさ」も中学生になったらぜひ、読んでほしい作品です。