霧のなかの白い犬

  • 霧のなかの白い犬/アン・ブース
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商品の説明

現代イギリスの小さな村。中学3年生の少女ジェシーの祖母は、ある日突然白いシェパード犬を飼い始めます。犬が大好きなジェシーは大喜びしますが、同じ日から祖母は近所に車で行こうとして高速道路を走ったり、犬が撃たれるのではと不安がったりと、混乱して取り乱すようになります。祖母の家に届いたドイツからの絵はがきの文面や古い箱に入った写真、祖母が涙を流しながら訴える「知らなかったのよ。許してちょうだい」という言葉…。謎は深まります。

ちょうど同じ頃クラスメートのユダヤ系のベン少年の祖母が、学校にきて語ってくれた迫害の体験にも白いシェパードの愛犬が出てきますが…。(白には意味があります。)

物語には、ジェシーの父の事業の失敗を移民が不当に安い金額で仕事を請け負うせいだと考える叔母や、両親の不仲で素行が悪くなり、障害をもつジェシーの親友を傷つけるいとこの少女が登場するなど、タイムリーな問題が詰め込まれています。

移民への偏見の描写にはEU離脱を連想、現地の空気はこんな感じなのでしょうか。現実社会では連日暗いニュースが多いですが、ベン少年の祖母は「そういう事態がひき起こされる兆候をいまではわたしたちもわかっている。今度はとめられる」と力強く語ります。そう信じたいし、そのために自分にできることをしなくちゃな、と思わせてくれる本でした。高学年から。大人にもおすすめ

(コプタ通信2016年9月号より つきちゃんこと築山真希子)

商品詳細

著: アン・ブース
訳: 杉田 七重
絵: 橋 賢亀
寸法: 20×14cm
内容: 224ページ
製作: あかね書房 (日本)
初版発行日: 2016年03月

商品の仕様(色、材質、形状、パッケージなど)は予告なく変更することがあります。記載されているすべての寸法と重量は目安であり、それをお約束するものではありません。

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